この世界のオワリの果てに
□オワリと始まり
1ページ/5ページ
「いってきまーす!」
だれもいない家に向かって大きな声であいさつする。
私の両親はどちらとも私が幼い頃に亡くなった。理由は知らない。
・・・というより忘れてしまった。
まあつまりは一人暮らしってことで。
中学生でひとりは危ないという親戚のひとたちに言われたけれど、
なんとか説得して仕送りだけはもらうという結論に至った。
同情されるのなんて嫌いだから、仕送りもいらないといったんだけど、
はんば無理矢理もらうことにされた。
「着信ゼロか・・・。」
通学路を歩きながら携帯を見つめる。
昨日から京子からの連絡はない。
京子のことだからお詫びとかの連絡がくるかもしれないと思っていたけど・・・。
(ま、学校で話せばいいよね。)
パチン、と音を立てて携帯を閉じてカバンにしまう。
なんだか早く学校にいかなければいけないような気がして、私はカバンをリュック背負いして学校へ急いだ。
これがただの胸騒ぎだったと知るのは
一体いつでしょうか?