vs.キラ

□「schedule」
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俺の肩が撃たれ、心臓が撃たれ、高田の護衛共が俺が死んだと想い込み、弾丸の尽きた拳銃を降ろした当にその瞬間、機関銃を持ったマリアが車の上に素早く飛び乗り、仁王立ちで高田の護衛共を見下ろした。

「死んでよ。」

高田の護衛共が、無表情なマリアの機関銃で撃たれて逝く。

無表情だけど、感情が無い訳じゃない。

怒りだ。
計り知れない憤怒と憎しみと悲哀しみと憐れみ。

こう言う処観ちゃうと、“双子の死神”と言う名前を想い出させてくれる。


高田の護衛共が蜂の巣に成った頃、漸く弾が尽き、マリアは深く息を吐いた。

「…悪は正義の前に屈し、法の前に跪く。何人たりとも、悪を正義にする事は不可能なり…。」

マリアは両太腿のホルダーからベレッタ2丁を手に取ると、駄目押しとばかりに高田の護衛共の眉間を狙って1発ずつ撃った。

さて、此処で問題だ。
人間を確実且つ即死させる事の出来る殺し方は?

銃殺?絞殺?刺殺?毒殺?

弾丸を貫通させたり、首を絞めたり、心臓を刺したりしても、絶命するまでには、数秒から数分のタイムラグが有る。
故に、ドラマや映画みたいに即死はしない。
毒に至っても同じだ。

答えは、眉間の奥、延髄の機能を停止させる事。

延髄は、脳幹の一部で、此処は心臓の働きや呼吸活動等、凡ゆる生命活動を支配する中枢だ。
詰まり、此処の機能を停止させる事により、即死する。

その為には、弾丸で眉間を撃ち抜く事が必要となる。
ナイフじゃ、それなりの速度と長さと硬度が無いと、骨を貫通出来ない。

殺し屋とは言え、子供の躰と体力しか無いマリアには、ナイフで殺す事は出来ず、ベレッタで眉間を撃ち抜く事しか出来ない。





高田の護衛共に穴だらけにされ、もう動きそうに無い俺の車を乗り捨て、近くに隠してあったメロの車に乗る。





「…本当に、歌わなかったね…」
「当然だよ。兄様を撃っといて、供養されるなんて、甘い考えだよ。」
「…でも、アレって、火葬…?」
『ビクッ…』
「…」

あ、図星かな?

「マリアは本当に優しいなぁ〜」
『ぽんぽん…』
「…別の視点からだと、死体損傷って、言われるかもね…。」
「…志半ばで潰えたLよりは平和な死だよ…。マリアが総てを背負う必要なんて無いよ…。…俺等の、Lとワタリの死を知っている全員の復讐なんだから…背負うとすれば、全員で少しずつ背負えば良いんだから…。気にしなくて良いよ…」
『なでなで…』
「…自分を責めないで…?」
「…」





「さぁ、メロとハイドを迎えに行こうか?」
「うん。」
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