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□#緑と赤と白黒の話
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ある時突然、僕の世界から色が消えた。
全中三連覇後、テツヤに退部届を渡された日。
僕のキセキは色あせて、以来視界は白黒なのだ。 
#緑と赤と白黒の話 
別に困らないから誰にも言っていない。キセキの皆も洛山の皆も知らない。
ことあるごとに誤魔化し続け、そして今、高校生活が終わろうとしている。


しかし情けないことに、ただ一人にばれてしまった。
緑間真太郎。彼の目にも何か能力があるんじゃないかと思うくらいに、僕の異変にはすぐに気付く男だった。 
#緑と赤と白黒の話 
『…何で今まで黙ってたのだよ』
『別に困らないからだよ』
そう言ったら真太郎に怒られたのは、高校1年の冬の話。


そして大学受験のシーズンになった。
真太郎は医学の道に進むらしい。
曰く、「部活が終わった今、人事を尽くすべきは学業だ」だそうで。
僕はと言うと、推薦でもう進路はほぼ確定していた。 
#緑と赤と白黒の話 
正月は東京の実家で過ごした。
紅白のめでたい飾りも、白黒ではめでたさが全然足りない。


インターホンが鳴る。
扉を開けると真太郎が立っていた。
「…帰っているなら連絡くらい寄越すのだよ」
東京に居ることを誰かから聞いたらしく、少し不機嫌だった。
「初詣に行くぞ赤司。大学は決まっているんだろ、付き合え」 
#緑と赤と白黒の話 
強引に連れ出される。真太郎はあまり変わっていない。



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