long

□シンデレラコンプレックス
6ページ/9ページ




―――「「かんぱーい」」

グイッと冷たいビールを口に運ぶと私率いる1課の班、「鏡野班」である、紫原、青峰、黄瀬、緑間が続けて口に運ぶ。
冬のビールもうまいもんだよ。

「主任、今回のヤマ取れてよかったねえ」

ニへラと笑って持参、ポテトチップスをバリバリと食べていた。

「そうね・・・でも、油断はできないわよ。いつ事件が起こるかわからない。・・・まあ、でも。お疲れ様といきましょうか」

お待たせしましたぁ、とナイスタイミングでお好み焼き登場。

「お疲れっスー!」

「るせーよ、黄瀬」

頭をぐりぐりとグーでねじ込まれている黄瀬は、同い年なのに冷たいっスよーと嘆いていた。
私はそれを見てふっと笑った。



―――「今日はずいぶんと飲むんだな。それで4杯目だぜ?よく酔わねーよな、怖え」

「怖くない。それに私は元からお酒強いの、悪い?!」

じっと青峰君を睨みつけてやったが、そのひょうきんな表情を見て、私はまたおかしく思えて笑ってしまった。
仲間ってやっぱり良い。
主任が女ということなんて気にせず、私をちゃんと“主任”として敬ってくれる所があるからいい。
そして、時々繰り広げられる、漫才のような面白い日常。
家よりか何倍も楽しいし、自分が自分でいられる。
鏡野家というものを忘れさせてくれるような気がして、いくらか楽だった。

「そろそろ帰る時間っスよ、主任、」

「私はそんなに子供じゃねーよバカ」

ベシ、とデコピンをすれば、少し泣きそうな顔をして青峰っちも主任もヒドイっスよ、と言った。

「でも、そろそろ帰ろうかな」

かばんを手に取ったとき、緑間が家まで送ると言ってくれたので、お言葉に甘えて送ってもらうことにした。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ