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□シンデレラコンプレックス
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―――「「かんぱーい」」
グイッと冷たいビールを口に運ぶと私率いる1課の班、「鏡野班」である、紫原、青峰、黄瀬、緑間が続けて口に運ぶ。
冬のビールもうまいもんだよ。
「主任、今回のヤマ取れてよかったねえ」
ニへラと笑って持参、ポテトチップスをバリバリと食べていた。
「そうね・・・でも、油断はできないわよ。いつ事件が起こるかわからない。・・・まあ、でも。お疲れ様といきましょうか」
お待たせしましたぁ、とナイスタイミングでお好み焼き登場。
「お疲れっスー!」
「るせーよ、黄瀬」
頭をぐりぐりとグーでねじ込まれている黄瀬は、同い年なのに冷たいっスよーと嘆いていた。
私はそれを見てふっと笑った。
―――「今日はずいぶんと飲むんだな。それで4杯目だぜ?よく酔わねーよな、怖え」
「怖くない。それに私は元からお酒強いの、悪い?!」
じっと青峰君を睨みつけてやったが、そのひょうきんな表情を見て、私はまたおかしく思えて笑ってしまった。
仲間ってやっぱり良い。
主任が女ということなんて気にせず、私をちゃんと“主任”として敬ってくれる所があるからいい。
そして、時々繰り広げられる、漫才のような面白い日常。
家よりか何倍も楽しいし、自分が自分でいられる。
鏡野家というものを忘れさせてくれるような気がして、いくらか楽だった。
「そろそろ帰る時間っスよ、主任、」
「私はそんなに子供じゃねーよバカ」
ベシ、とデコピンをすれば、少し泣きそうな顔をして青峰っちも主任もヒドイっスよ、と言った。
「でも、そろそろ帰ろうかな」
かばんを手に取ったとき、緑間が家まで送ると言ってくれたので、お言葉に甘えて送ってもらうことにした。