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□王子様の嫉妬
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リベンジライブを成功させパートナーのルカ君の女性恐怖症も少し治り、そして私はアイドル”天音アイカ”としてRe;Riseを続けることを決心した。
リベンジライブの後からはRe;Riseメンバー全員が、仕事のひっぱりだことなり忙しい日々を送っていた。
…そしてある日の事。
雑誌の個人撮影を終えて、次の場所へ移動しようとした私は後ろから走ってくる音に振り返る前に飛びつかれて腕の中にすっぽりと抱きしめられていた。
「…っ!?る、ルカ君!?」
驚きながら私は周囲に人がいないのを確認する。こんな光景見られたら男同士でと騒動になるから…まぁルカ君とは仲良しというのは色々と知られてはいるけど…私が女の子だなんてバレたらアイドルとしてもやっていけない。
「最近ずっとバタバタしていて君と会えなかったから、こうして会えて嬉しいんだ!」
ルカ君はキラキラの笑顔で私を抱きしめる手に力を込める。私はその笑顔に怒ることなんてできるわけない…。大好きな私の恋人だから。そう、リベンジライブの後に私たちは恋人となった。
「ルカ君とはスケジュールがなかなか合わないからね、でもいきなり抱きついてくるなんて…」
「だって、君の姿が見えたからついね。だって僕たち恋人だよ?抱きしめたくなるよ」
さらりと言うのがまたルカ君らしいけど…。
「ありがとね!ルカ君、私嬉しいんだけど次の仕事あるんだ…」
「くすっ…あれ?米沢さんから聞いてない?次の仕事ってRe;Riseの皆でテレビ番組の収録だよ?」
あれ?私には場所と簡単に説明を書いた紙を渡されただけで教えてもらえてないんだけれど…おかしいなぁ?
「皆で歌えるって楽しみだなぁー!早く歌いたいなぁ…」
本当にルカ君は歌うのが好きだよね、実力もすごくて歌ってる時のルカ君は輝いている。
「ねぇ、ほら一緒に行こう?…愛歌」
手を差し出してルカ君は微笑む。…胸がどきどき、する。いつになっても慣れないよ…。
「う、うん。で、でも他の人たちに見られたら…」
「大丈夫だよ。僕がフォローするし、けっこう僕らは仲良しって皆わかってるから!」
そして、手をぎゅっと繋いで私たちは収録スタジオに走り出した。