めいん
□あったまる方法
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「んじゃ、今日の部活は終わりだ。おつかれっしたー」
「「「おつかれっしたー」」」
今日も過酷な部活が終わった。部室に戻り、制服に着替え、荷物をまとめて体育館をでた。たくさん汗を流したあとの冬空は寒い。風邪でも引きそうだ。
「先輩」
「わっ…黒子か、お疲れ」
「お疲れ様です」
声をかけてきたのは、後輩であり、恋人でもある黒子だった。鷲の目を発動していないと、さすがのオレも気が付かないことが多い。でも付き合ってからは、少し見えるようになってきた気もしている。
「寒いですね」
「そうだなー…」
黒子は手が震えていた。オレも手がかじかんで痛い。
「寒くて死にそうです」
恋人の命が危険だと…?!
「大丈夫か?!」
「ぎゅってしたら、死なないと思います」
珍しいな、黒子が甘えてくるなんて。
「…こうか?」
可愛い恋人の頼みなんて、断れるはすまもなく、お望み通りにぎゅっとしてやった。
「あったかいです。ありがとうございます」
にこっと笑う黒子に、オレも笑い返す。
「でも…」
そう言うと黒子はオレにキスをしてきた。
「こうしたらもっと、あったかくなりませんか?」
「ちょ…あぁ、あったかいな」
恥ずかしさに熱がこもる。外では嫌がると思っていたけど、人も少ないしな…。
「先輩顔が真っ赤ですよ」
クスッと黒子に笑われた。
「黒子だって赤いぞ?」
オレもまた笑い返した。
end...