4バカシリーズ

□楽しむバカ
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「・・・・・・・・・告白はしてきた。付き合ってはない。」



「うそ、フラれたの?」



罰ゲームを終えて帰ってきたみやの報告に驚いて声をあげる。
だってみやだよ?
まずフラれるなんて思わないじゃん。

・・・・・・・・・あぁ、でも鈴木愛理は真面目そうだからなぁ。



「・・・・・・・・・フラれてない。保留だってさ。」



小春が座ってる机のイスに座るみや。
なんかすごいやつれてるこの人。
鈴木愛理との間になんかあったのかな。



「これでもういいでしょ?罰ゲーム終わりで。」



うーん・・・。
なんか変だな。
絶対これ鈴木愛理が関係してるって。

んー、じゃあこのまま罰ゲーム終わらせるのは勿体ないよね。



「いや、ダメでしょ。」



「は?なんで?」



「もちろんオッケー貰ってくるまでが罰ゲームだからね。」



「・・・・・・そんなん聞いてない。」



「今決めたもん。」



小春の言葉に威嚇するように睨んでくるみや。

本当みやは学習能力ないなぁ。
その目はそそられるだけだって言ってんのに。

しかもみやはイスに座ってて小春は机に座ってるから、下から見上げられてる感じがまた良い。



「それが嫌だったら、小春に抱かれればいい。」



「・・・・・・・・・。」



あれ、珍しく即答しない。
いつもなら小春が言い終わる前に断るのに。

そんな珍しいみやが面白く、顎を掴んでくいっと持ち上げてキスをしようとする。
すると、それを阻止する様にきっかが小春とみやの間に入ってきた。



「だっ、だめっ!!」



「ゆ、友?」



「どうしたの、きっか?」



きっかのいきなりの行動にみやとちぃはポカンとしてる。
そんな二人とは反対に、小春は面白さしか感じなかった。



「と、とりあえず!みやは早く鈴木さんに返事貰えばいいじゃん!!」



「え・・・あ、あぁ・・・うん・・・。」



「みやは鈴木さんのこと好きじゃないんでしょ!?」



「う、うん。」



「じゃあほら!いいじゃん!!」



「はぁ・・・。」



みやからしたら何がいいのかわかんないと思うけど。
でも、自分の事でいっぱいいっぱいのきっかはその事に気付いてない。
きっかの勢いに圧されて、みやも不満気ながら納得しちゃったし。



「きっか、必死だねぇ。」



きっかにだけ聞こえるように呟く。
みやとちぃは未だに不思議そうにきっかを見てる。



「なっ、なにが!」



「ん?ここで言っていいの?」



ニッコリと笑ってそう言うと、きっかは慌てて首を振った。

薄々気づいてはいたけどこれで確証を得た。
どんどん面白くなってくなー、学校。



「二人には内緒で・・・。」



ボソボソっとそう言ったきっかに、小春は意地悪く笑いかける。

そして、ポカンとしてるみやを引き寄せてキスをした。



「あぁあっ!!」



「・・・・・・今日多い。てか友は本当どーしたの。」



小春を軽く睨んでから、いきなり大声をあげた友を呆れて見るみや。
ちぃはなんだか、薄々と気づいてきたみたいな表情してるけど。



「小春のばかっ!」



そう言いながら、みやを小春から離すように抱き寄せるきっか。
こうやって見ると、本当にみやは愛されっ子だなぁと思う。



「なに、今日友おかしい。」



なんでわかんないかな。
ここまでされて気づかないとかボケてるしかないと思うんだけど。

だけど、それを本当に気づかないのがみやで。



「きっか、本当にバカなのはみやだよ。」



「・・・・・・・・・知ってるよ。」



「なんでいきなり悪口言われてんのあたし。」



「やっぱ4人の中で一番バカなのはみやってことだよ!!」



まぁ、楽しけりゃいい。
本当にこいつらといるのは楽しいんだ。
この3人(きっかはつい最近だけど)と出会う前は、こんなに楽しいと感じることなんてなかった。

こんなこと絶対本人たちには言わないけどね。



「ちぃよりバカってのはまだ納得してないから!」



「はぁ!?さっき決着ついたじゃん!!」



「その前はあたし勝ったし!」



「・・・・・・・・・二人とも『どんぐりの背比べ』だと思う。」



「きっか何言ってんの?どんぐりが背比べとか!あははっ!!」



「どんぐりとか可愛いじゃん。」



・・・・・・・・・とりあえず、やっぱりみやとちぃは圧倒的にバカだ。



end

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