間違ったシリーズ(完結)

□間違ってなかった
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みやと舞美が仲直りしてから1年。

4人とも相変わらずの毎日を過ごしてる。





「みや、もう起きっ・・・・・・。」



「うん、おっけー・・・・・・明後日ね。ん?・・・・・・・・・うん・・・・・・ははっ!はいよ、じゃ・・・・・・あ、オシャレしてくんだよー。・・・・・・あはは!・・・・・・はい、ばいばーい。」



「・・・・・・・・・へぇ、明後日ねぇ?」





みやのプレイボーイは変わらないし。





「みや!また女の子とデートしに行くの!?」



「わっ、舞美!や、これはあのー・・・・・・ちょっと違うから!」



「・・・・・・・・・みやのバカ。」



「あー・・・・・・ごめん、今日1日一緒にいるから許して?」





舞美のシスコンも変わらないし。





「あ、ももー、冷蔵庫に入ってるプリン食べちゃった。」



「はぁ!?なんで勝手に!」



「ごめんごめん、今度買うからさー。」



えりかちゃんの迷惑な感じも変わらないし。





唯一変わったことと言えば。





「みや、誰と遊びに行くの?」



「えっ、あー・・・ははっ・・・・・・。」



「笑って誤魔化すな。」



「だ、大丈夫!浮気はしない!絶対に!!」



「じゃあ、キスしない手繋がない触らないが条件だから。」



「き、厳し「厳しくない。」



ももとみやが付き合ってるってことくらいかな。



「ていうか、朝っぱらからなんで2人がいるの?」



舞美とえりかちゃんに向けて言う。
だって呼んでないし。
みや起こしに行く前はいなかったし。



「舞美が行こうって。」



「だってみやに会いたかったんだもん・・・。」



・・・・・・・・・・・・このシスコンめ。
いつになったらこのシスコンは治るんだ。
一生治らないとか言われたら困るんだけど、もももえりかちゃんも。



「いーじゃん、賑やかで。あたしも舞美に会いたかったし。」



・・・・・・・・・こっちにもシスコンがいたか。
会いたかったとか言ってるけど、ちゃんと昨日も会ってますからね。
今日みたいに2人(主に舞美)が押しかけてきて。



「えへへ、みや大好き!」



そう言いながらみやを抱き締める舞美。



だから姉妹でいちゃつくなって。



そう思って見てると、みやも最近は恥ずかしいのか舞美を押し返す。
そうそう、ちゃんとそうして。



「はいはい、恥ずかしいから。てか今日どこ行く?」



「え?」



「今日は舞美といるって言ったじゃん。4人でどっか行こうよ。」



・・・・・・・・・・・・結局そういうことですか。
4人って言ってるけど、どうせ2人がメインだろうし。

ていうかさっきからももとえりかちゃん空気なんだけど。



「行く!水族館行きたい!」



「じゃあ水族館行こっか。もももえりかちゃんもそれでいい?」



「あたしは別にどこでもー。」



「・・・・・・・・・いいんじゃない。」



どうせももなんて舞美の二の次だし。
わざと可愛くない態度をとっても、みやは気づかない。



「んじゃ行こー!」



真っ先に外へ出たみやに、一番楽しみにしてるのはみやなんじゃないかと思う。
一応この中では年下だしね。



「みや、走ると危ないよ。」



「あ、はい。」



ももが注意すると、急に立ち止まって手を差し出してくるみや。
それを驚いて見てたらみやが耳元で囁いた。



「拗ねないでよ。愛してるよ、もも。」



「・・・・・・・・・・・・・・・ばっかじゃないの。」



少し振り返って後ろを確認する。
まだ舞美とえりかちゃんは来てないみたい。



「・・・・・・・・・ももも愛してる。」



「うん、知ってる。」



そう笑って近づいてくるみや。
ちょうど唇が合わさったところで、後ろから大きな声が聞こえた。



「あー!!何してるの!!」



・・・・・・・・・・・・来ちゃったか。
みやはももから慌てて離れて、舞美の方へ行ってしまう。

なんか適当な言い訳を言ってるみたいで、ももは思わず苦笑してしまった。



「どうする?あの姉妹。」



いつの間にか近づいて来てたえりかちゃんが呆れながらそう言う。

やっぱり困るよね、あれは。
安心していちゃつきもできない。



「まぁ、舞美が落ち着くまで我慢だよね。」



「・・・・・・・・・・・・絶対落ち着かないよ。」



顔を合わせて同時にため息。

だけど、お互い自分の恋人を嫌いになることなんてできない。
それほど大事で大好きだから。



「よし!行こー!」



舞美がやっと納得したらしく、みやがもも達に声をかける。
でも、2人は手を繋いでて。



・・・・・・・・・・・・ももが繋ぐはずだったんだけどな。



「もも。」



「えり!」



また少し拗ねてると、お互いの恋人に名前を呼ばれる。
そっちを見るとみやと舞美が空いてる方の手を差し出していた。



・・・・・・・・・まぁ、今はそれでもいっか。



足早にみやに近づいて、しっかりと手を握る。
会った頃よりずっと温かくなったみやの笑顔に、ももも自然に笑顔になった。





みやを部屋にあげた時、『選択を間違ったかもしれない』と思った。
みやは怖い人に追われてたし、なんか怪我してたし。

その後も、みやにはいっぱい迷惑をかけられたし舞美とえりかちゃんのこともあったし。

何回『間違った』と思ったことか。

それほど辛いことも嫌なこともいろいろあった。



だけど、今になったら胸を張って言えるんだ。





ももの選択は、間違ってなんていなかったと。

結果的にみやと結ばれて。
ちょっと大変だけど、幸せな日々を送っていて。
これから苦労をしながらもこんな毎日を送っていくんだ。



そう考えると、やっぱり間違っていなかった。



みやと出逢ったことも。
みやを部屋に入れたことも。
みやを好きになったことも。
みやをずっと好きだったことも。





間違ってなかった。





end

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