間違ったシリーズ(完結)

□間違った反省
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「わかった!」



「・・・・・・なに。」



「あたしがジャンケンで勝ったら許してよ!」



「・・・・・・・・・みや?」



「ご、ごめんなさい・・・。」



どうしてこの人は『こう』なんだろうか。
反省の色ってものがみられない。
いっそのこと、この街中で土下座でもさせてみようか。



「もも怒ってるー?」



「・・・・・・当たり前でしょ。」



事の発端は大学の帰り道。
大学からその最寄り駅まで歩いてる途中、たまたまみやを見つけたのだ。

それは別に問題なかった。

だけど、みやが一人じゃないことに問題があった。

いや、でも一人じゃないだけだったらこんな怒ることじゃない。
だってみやにも友達とか先輩とか後輩とか舞美とか舞美とか舞美とか、なんにせよみやの付き合いってものがあるのだから。
本当の問題は、その連れの女の子がみやの腕に抱きついて、まるでカップルのようにイチャイチャしてたことだ。

それを見たももは、すぐさま恋人を回収して今に至る訳だけど。



「そっかー。あ、あの喫茶店入んない?」



だから本当・・・・・・この人は『反省』って言葉を知らないんだろうか。
横で思いっきりため息をついてやると、キョトンとした顔で見てくるみや。



「・・・・・・なに?」



「いや、おっきいため息だなーって。」



みやはそう言ってへらへらっと笑う。
そんなみやを見て、ももはまたため息をついてから両手でみやのほっぺをぎゅーっとつねった。



「いひゃいいひゃい!!」



「はーんーせーいーしーなーさーいー!!」



「わひゃっひゃ!わひゃっひゃはらははひへ!」



「たく・・・。」



ほっぺたを離してやると、唸りながらそこを自分の両手で包むみや。
ちょっと見えたほっぺたが赤くなっていて、照れてるみたいで可愛いと思ったのは内緒。



「反省した?」



「うん・・・・・・ごめんね・・・。」



そう言いながらみやは未だに俯いている。
さすがにやりすぎたかな、と思って顔を覗き込むとみやと目が合った。

なんとなく視線を逸らせないでいると、一瞬みやが微笑む。
それを確認した瞬間唇に感触が。
何をされたか理解したと同時に、また自然とため息が出た。



「ねぇ・・・街中なんだけど・・・。」



「だってずっと見てるからキスしてほしいのかなーって。」



今回も反省の色なし。
だけどやっぱり、会った時からなんだかんだ本気で怒れない自分がいて。

いつの間にか喫茶店に入ろうとしてるみやに、呆れて笑うしかなかった。



end

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