MIX!MIX!!MIX!!!
□赤の決心とおじいさん
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いい雰囲気だって言われて、彼は嬉しそうに笑った
カントー編 第五話 赤の決心とおじいさん
レッドと再会を果たし、万事屋の三人を紹介した後で今夜はポケモンセンターに宿泊することになった。
レッドは珍しく私たちと一緒に寝るらしい。
グリーンはジムね。
しかしポケモンセンターには四人部屋しかないらしく私と神楽が同じベットで寝るということで上手く分担できた。
(レッドは不服そうだったけど)
お風呂に入って寝るには少し早い今、私は借りた部屋のベランダに出ていた。
ライチュウやリーフィアは神楽と遊んでいる。
「…ミレイ」
「レッドか、どうしたの」
「…何でもない」
レッドは私の隣に立つ。
そういえばピカチュウがいないな。
「…ピカチュウはチャイナの子に預けた。ライチュウたちと遊んでる」
「そっか」
「…ミレイが今一緒に旅してる人たち、面白い。まだ話せないけど」
「でしょ。飛んだ世界で居候してたんだ」
「…特に銀髪の人…何考えてるか分からない…でもそこが面白い。悪い人じゃないと思った」
「珍しいね。レッドがそこまで言うなんて」
「…あの人たちに興味ある」
「じゃあレッドも一緒に来る?」
「…え」
「なんてね。待っててよ。私がレッドに追いつくまで」
「…分かった」
レッドは大切な人だ。
だから一緒にいたい気持ちもある。
でもそんなレッドは紛れもなくカントーで有名な「伝説」で、私はレッドを越えて初めて夢が叶う。
そばにいてくれると、それだけで満足しそうなんだ。
だから、レッドはシロガネ山で待っていてほしい。
ただの我儘なんだけどね。
「…ミレイはずるい」
「??」
「…俺がミレイに頼まれたら…何も断れないの、知ってる」
「…そうだね」
「でも、今回は言うこと聞かない」
「……え」
「…シロガネ山から、下りる。旅する。三年前みたいに」
三年前…私はレッドとカントーを旅をしていた。
おそろいのピカチュウ、そしてレッドは御三家をもらい、私はイーブイをもらった。
レッドがジム戦をしているのも見てきた。
そのとき、まだカントーにコンテストはなかったから私はただポケモンを育てるだけで。
そして私がジョウトに行くとき、レッドはシロガネ山に籠ったんだった。
それから下山することは少なくて、私が会いに行くくらいだった。
レッドは人見知りが激しいし、シロガネ山みたいな辺鄙な山に行く人はほどんどいないから暮らしは快適だと言っていたのを思い出した。
…まあ、何が言いたいかっていうとそんなレッドが旅するとか意外で。
それに今回は二人旅じゃない。
銀ちゃんや新八や神楽もいるんだ。
本当にいいのかと聞くとミレイがいるから平気だと言った。
もしや私はあっちの世界に行ってる間にとんでもない甘えん坊を作ってしまったのではないだろうか。
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