英雄が異世界から来るそうですよ?

□第一印象は大切に、だそうですよ?
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──箱庭二一〇五三八〇外門居住区画、第三六〇工房。

「…………上手く呼び出せた?黒ウサギ」

「みたいですねえ、ジン坊っちゃん」

黒ウサギと呼ばれた十五、六歳に見えるウサ耳の少女は、肩を竦ませておどける。
その隣で小さな体驅に似合わないダボダボなローブを着た幼い少年が溜め息を吐いた。

黒ウサギは扇情的なミニスカートとガーターソックスで包んだ美麗な足を組み直し、人差し指を愛らしい唇に当てて付け加える。

「まあ、後は運任せノリ任せって奴で御座いますね。あまり悲観的になると良くないですよ?表面上は素敵な場所だと取り繕わないと。入ってくるメンバーに警戒されてしまうと黒ウサギは思います」

握り拳を作ったりおどけたりと、コロコロ表情を変えながら力説された少年も、それに同意する。

「何から何まで任せて悪いけど……彼らの迎え、お願い出来る?」

「任されました♪」

そう言って黒ウサギは、ドアを開けて出て行った。
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