Treasure
□いつの間にか
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「はーっ、今年も楽しかったね!」
「そうだね」
「…周助、踊らないの?」
「真実こそ」
文化祭最後のイベント、キャンプファイヤー。
今時フォークダンスなんて、と思っていたのは真実も一緒みたいだ。
「…ねぇ真実、静かなところに行かない?」
「えっ、何それもしかして誘ってるの!?ちょっ、待ってよ周助ここ学校だよ!?ってゆうかそれ以前に私たちまだそう言う関係じゃ、い゙っ!?」
「静かにしようね」
「あい」
僕がデコピンした額をさすりながら、大人しく付いてくる真実。
さて、ここからが本番だ。
「テニスコート?」
「校舎は、鍵が掛かってて入れないからね。ここだと誰もいないし」
「…どうしたの?ここに連れてくるなんて、何か話しでもあるの?」
「うん。これから僕が話すことを、黙って聞いてほしい」
「…うん」
変態で、バカで、どうしようもないけど。
それでも僕にとっては大事な幼馴染みで、大事な一人の女の子なんだ。
「……真実、好きだよ。僕と付き合ってほしい」
「えっ、それって…」
「もちろん一人の女性として好きだよ。真実、君の答えを聞かせてほしい」
「あ…」
「真実?」
なぜか俯いてしまった。
うーん、今までの変態行為は僕のことが好きゆえの行動だと思ってたんだけどな。
「どうしよう、すごく嬉しい」
「えっ、じゃあ…」
「私も好き、周助のこと」
「それじゃあ、改めて。これからよろしくね」
「うん!」
君の笑顔が、今までで一番輝いて見えた。
好きになっていた
(周助!チューしよチュー!)(はいはい。また今度ね)
(えー!!)
→後書き。