明日の未来(リアル)

□1話「始まり〜午前9時前」
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ある晴れた日の出来事…。


「今日は、いい天気っ!」

駅前ロータリーの広場で呑気に背伸びする一人の少女。


駅前にはたくさんの人が行き来していた。


大半は大学生。ちょうど大学に行くところだろうか足取りが早い。


「うーん、暇だなぁ…、またどっか散歩にでも行こうかなー」

少女は清んだ空に向かって独り言を言う。



ふと反対側にいたスーツを着た青年が目に入った。

真剣な表情をしている青年。辺りを見渡している様子…。


「なにやってるんだろう…?」

気にしつつも、少女は広場をブラブラと歩きはじめた。

「さーてと、どこに行こっかなー?」




少女の反対側にいた青年。
辺りを警戒していた。


「あと10分…」

広場の時計台の時計と右手首にしている腕時計に目をやる青年。


時刻は午前8時50分。


この駅の通勤時間帯。

サラリーマンやOL、学生達が行き来する中、青年は通り過ぎる通行人や辺りの様子を注意深く見渡す。


その中に呑気に背伸びしている少女が目に入った。


いかにも暇ですと、言わんばかりの背伸び。


…ちょっとイラッとした。


とりあえず、目線を少女から外す。


「一体、どこから来るんだ…」


青年は普段感じることはない緊迫感を感じていた。




もう一人、時計台を見る青年がいた。


「…遅いな、アイツ…」


携帯電話をしきりに気にする青年。

何回も携帯電話を見ても着信はない…。


だんだん焦る青年。


「ヤバいな…、…もしかして、時間間違えたか?」


一人ぶつぶつと言う青年。

そんなことをしているうちに時間はゆっくりと進んでいた…。




駅前のロータリーにいたとある三人…。



一見、何も関係ない人達に見えるが、

…これから起きる出来事に巻き込まれることになるとはこの時、誰も想像しなかった…。


いや、もしかしたら、これは運命ではなく、必然だったのかもしれない…。



この話はこれから起こる未来…リアルかもしれない…。






『明日の未来(リアル)』
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