明日の未来(リアル)

□4話「行動開始」
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車に揺られながら、浅草中央警察署に向かう安西 由香理(アンザイ ユカリ)。

由香理は恐怖でいっぱいだった。



久しぶりに東京へ来た由香理は、東京駅に着いて地下鉄に乗ろうとしたら、いきなり知らない男達に連れていかれた。


目隠しされて何処に連れていかれたのか、由香理には全く分からない。


途中、淳志に連絡したが、男に気づかれ、顔を軽く殴られた。


そこから由香理は何も出来ず、ただただずっとおとなしくしていた。


気がついた時には、薄暗い部屋に連れてこられいた。

そして、警察の人に助けられ、今に至る。



「もうすぐ、警察署に着きます。安心してください」

一人の警察官が由香理に言う。


由香理は下を向いたまま頷いた。

自分の身体が震えているのが分かる。



ちょうど私鉄浅草駅の前を通り過ぎようとした時だ。

いきなり正面から由香里が乗ってる車に黒い車が突っ込んで来た。

「な、なんだ!?」

慌ててハンドルを切ろうとするが遅かった。


由香里を載せた車は、立ち並んでいる店に突っ込んだ。



由香理が顔を上げると、運転手と隣にいた警察官は気絶していた。


「…な、何…!?」


すると、車のドアが開いた。

目の前には覆面した人。

由香理はその覆面した人に引きずり出された。


外には三、四人の覆面した人たちがいた。


「や、やめて…!!」

そう言おうとした由香理だったが、完全に恐怖のせいで何も出来なかった。

必死に抵抗するが全く勝てない。


もう私…死んじゃうの…?

嫌…ヤダ、ヤダ、死にたくない…!


その時、一人の女の人が店の中に入ってくる。


ショートヘアに左目に眼帯をしたスラリとした女の人。

そして、いきなり覆面した一人に向けて一発殴る。

「グハッ…!」

「な、なんでお前!」

「この野郎!」


二人掛かりで女の人に向かって飛び掛かるが、華麗にかわし、それぞれ顔面目掛けて一発ずつ殴った。

その一発でその場に倒れる覆面たち。


女の人は次々と覆面たちを殴った。


「全く、歯ごたえがないわね、つまらないつまらない…」

服装を整える女の人。

由香里はただ呆然としていた。


女の人は由香理に近づいた。

「ねぇ、大丈夫?」

「あ、はい…。…あの、ありがとうございます…」

「まだお礼を言うのは早いわ。とにかく、一緒に来て」

女の人は由香理を連れて、外にでた。


外は大勢の野次馬でいっぱいだった。

周りには沢山の警察の車。

警察の車に載せられるかと思ったら、そのまま私鉄浅草駅の中に入り、地下鉄新橋線の改札へ向かった。


女の人は由香里を身体を支えながら、手帳を見せた。

「私は、警視庁特別捜査官、南 志帆(ミナミ シホ)よ。あなたに聞きたい事があってね」

「…聞きたい事、ですか?」


地下鉄新橋線の改札を通り、ホームへと降りる。

続けて志帆はポケットから二枚の写真を由香理に見せた。


「この人たち、見たことある?」

一人は高校生ぐらいの女の子。

もう一人はメガネかけた大学生ぐらいの男の人。


由香理はこの人たちを知っていた。

「…いいえ、知りません…」

「そう、やっぱり知らないのね…」

「…あの、この人が何か?」

志帆に聞いてみると、志帆の右目が鋭くなる。

「今、この人達はとても重要人物なの…。あなたを含めて。

…明日の未来に関わるから…」


「明日の…未来…?」


志帆は携帯を取り出し、誰かにかけた。


「もしもし、竜神?、…久しぶり」



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「…、…」

頭を押さえる一人の男。

「…全く、私としたことが…」

笑みを浮かべながら、フラフラと歩く男。


「こんな事で…、逃げる私じゃないんですよね…」

とにかく、ひたすら歩く男。


しばらく歩くと、池袋(イケブクロ)サンシャイン通りに出た。


ファミレスやオシャレな店が立ち並んでいる。たくさんの人が行き来していた。


男はその通りを頭を押さえながら歩く。


目の前にネットカフェを見つける。


「…仕方ないですね、ここにしますか…」

男はネットカフェへ入った。



受付をして、個室に入る。
パソコンを起動し、キーボードを打つ。


そして、あるサイトに接続した。

画面に【NAME? Password?】と表示された。


男はこう打った。


…【LINER、REAL】…



「さて、ゲーム再会しますか…」


素早くキーボードを打つ。

画面に表示されたのは、東京の地下鉄路線図。


男は地下鉄路線図と同時に違う画面を開いた。


その画面には【ACE:エース】と書かれた画面が出た。
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