とある物語
□明日の選択(チョイス)
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…ピッ…ピッ…ピッ…、
…ポーン…
【午後11時58分30秒をお知らせします…】
ラジオから聞こえてくる時報のアナウンス。
そのアナウンスを聞いていた一人の少女。
自分の部屋で時報を聞いていた少女はラジオを手に持ち、ドアを開け、ベランダに出た。
目の前には都心の高層ビル群が光り輝き、見上げると高層ビル群に負けないぐらい星達も光り輝いていた。
【午後11時59分15秒をお知らせします…】
明かりを絶やさず、ずっと動き続けている大都会・東京…。
この大都会・東京、色んな情報が入り混じって日々進化していく。いわば高度な情報社会へ成長していっている。
だが、それは決して良い物とは限らない。
時として悪い方向へと進む時がある。
マスメディアを通じて情報は一気に広まり、様々な所に影響される。
人も…、社会も…、
ピッ…ピッ…ピッ…、
ポーン…
【…3月9日、…午前零時丁度をお知らせします…】
少女は時報に耳を傾けた。
「…また、この日が来た…」
そう呟いた少女。
…3月9日…、という日付。
誰かの誕生日、ではない…。
何かの記念の日、ということでもない…。
…ただ、少女にとっては、この日はとても嫌な日付である。
少女はこの日から逃げる事が出来ないのだから…。
「今度こそ…絶対に…」
少女は何かを決意した表情を見せた。
そしてラジオを切り、部屋に戻った。
ドアを閉める際に視線を夜景の方に向いた。
…いつもと変わらなく、都心の高層ビル群が光り、負けじと夜空の星も輝いていた。
「待っててよ…、明日…!」
…もし、その日から明日が来なくなってしまったら、あなたはどうしますか…?
一つ一つの『選択(チョイス)』によって、それが『未来(リアル)』へとつながる…。
正しい選択(チョイス)になるか、間違った選択(チョイス)になるか…、
全てはあなたにかかってる…。
明日の選択(チョイス)