虹(hyde×Ken夢)連載

□【虹】第六章
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暫くすると中から看護士が出てきた。

「大量の血液が必要なんですがAB型の方、いらっしゃいますか?」

K「俺の、使ってください!全部っ」

「それは‥とにかく中へ」

Kenの血は奈名へと輸血された
それでも足りないと言われたKenは
病院の外へ駆け出し
たくさんの報道陣、ファンに呼び掛けた

K「NANAを助けたいのに血が足りません!AB型の方!協力してください!」

Kenは必死で叫ぶ
その場にいたAB型の人々がどんどん名乗りを上げて院内へ入っていく

後ろからhydeも走ってきた

h「お願いします‥NANAを助けください‥NANAに血をあげてください‥」

Kenとは違い 弱々しく泣きながら言うhydeと力強く叫ぶKenと後から出てきて深々と頭を下げて協力を求める優子の姿をTVは放送した。

Gacktはまだオペ室の前で立ち尽したまま。
 
 
協力を求めるみんなの姿を見て
何万もの人々が涙をし
TVを見たAB型の人は病院にたくさん駆けつけてくれた

中には
自分なんかの血をNANAさんのような綺麗な方に輸血してもいいんでしょうか
と言った人も‥

先ほどの看護士がまた現れた

「もう輸血は大丈夫です、あんなに集まるとは‥凄いですね」


そこにいた全ての人々は少し安堵したが
またすぐにNANAの回復を祈りはじめた。

何時間たったのだろう
敏腕外科医が出てきた。

K「先生!」

Dr「とりあえずは落ち着きました。銃弾は紙一重のところでずれてました。あのままボスニアの病院にいたら助からなかったでしょう。お兄様の思い切った決断は正解でしたよ。‥とは言うもののまだ危険な状態にあります。我々にできることはもう‥あとは意識が戻るのを待ちましょう」

という結果だった

h「Kenちゃん‥奈名助かったんやんなぁ‥?」

K「まだ‥わからん‥でもあいつなら絶対大丈夫や」

G「hyde‥」

その時やっとGacktが口を開いた

G「このまま奈名が目を覚まさなかったら‥全て僕のせいだ‥僕が引き止めなかったから‥」

優「Gackt‥」

h「がっちゃんは悪ないからっ‥そんなん言わんといて‥」

G「hyde‥Kenくん‥奈名にもしものことがあったら‥その時は‥僕も後を追うから‥優子を頼むね‥」

痛いほどのGacktのその言葉にhydeも優子も泣き出した

K「ええ加減にせぇよGackt!奈名にもしものことなんかあるわけないやろボケっ!しっかりせぇや!」

KenはGacktの胸ぐらを掴んで怒鳴りつけた
 
 
G「うっ‥」

Gacktはまた泣き崩れた。

その時、恵がTVを見て駆けつけてきた

恵「‥みなさん」

Kenは怒鳴り、みんなは泣き崩れている光景に恵は息をのんだ

恵「奈名ちゃん‥大丈夫よね?Kenさん」

K「‥大丈夫!そう信じてます」

恵「私も信じます。‥大丈夫?」

h「‥‥」

恵はhydeを心配するが
hydeは答えず、泣きすぎたからか気を失った。

hydeもまた病院で寝かされた
そしてその傍らには
熱愛不倫報道などを全てを受け止め、許した恵が付き添う
よくできた奥さんだ。

K「Gacktもフラフラやな‥優子さん、Gacktを見てやっててな?」

優「うん‥」

tetsuやゆっきー、ヤスなどからも電話が来ていたが
意識が戻らない限り病院には来なくていいと伝えた。

実際
今日中に意識が戻ることはないから
みなさんは一旦お帰りください
と 言われていた
 
 
生死をさ迷う奈名と倒れたhydeと
hydeに付き添う恵さんを残し
優子はGacktを一旦連れて帰り
眠れなくても横になるだけでもさせたいと言って
Gacktを抱えるように帰って行った。

奈名の病室の前にはKenだけが静かに残った

「Kenさんは帰らないんですか?何かあったらすぐ連絡しますから帰って休んでください」

看護士は言う

K「ここにおりたいんです。ダメですか?」

「いいえ‥深夜は廊下は冷え込みますから‥NANAさんの病室に入ってください。」

K「え‥入ってええん?」

「はい、Kenさん1人なら大丈夫ですよ、ソファと毛布もありますから、KenさんもNANAさんのとこで休んでください。」

K「ありがとう‥」

「何かあればナースコールしてくださいね?必ずですよ!」

看護士はそう言うと
Kenを病室へ入れて
自分は見回りに戻った。



K「奈名‥」

Kenは静かに眠る奈名の手を握り
ずっとずっと見つめていた。

K「奈名が助からんかったら‥俺がすぐにお前の傍に逝ったるからな‥」


一番冷静に見えたKenの心の中では
奈名が死んだら迷わず後を追うことは決まっていたのだ。
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