お兄ちゃん

□13.5
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「仕事中だって、いい加減怒るよ」


そうイルミに言った瞬間、後悔した。
俺はイルミになんてこと言ってんだ…。
仕事が溜まって構ってあげられない、怒られるのは俺の方だ。
ごめん、イルミ、ごめんな。
早く終わらせようとひたすらキーボードを操作して何件もの依頼を整理していく。

「っ…ふえぇ…」

待っててな……今終わらせるから、泣かないで…。

「…ふう」

何分か経った後、やっと仕事が終わり、拗ねて泣いてるであろう可愛いイルミを思い浮かべて後ろを振り向く。

「……いない」

ベットの中にもいない…。
先日と同じ自分の部屋にいるだろうと思い、部屋に向かったが何処にもいない。

今頃どこかで泣き崩れているかもしれないイルミを必死になって捜すが家中何処を捜してもいない。

「ッイルミ…!!」

いないいない何処にもいない。
まさかとは思うが、敷地外…?
そんなはず無いと思いながら自分の限界まで円を張ってみる。

「居ない…何処だッ…!!」

急いで窓から飛び出して街に降りたが、イルミが何処へ向かったかが解らない。
手掛かりも、何もない。

俺の髪が目立つのか知らないが道行く人が見ている…だが今はそんな事どうだっていい。
イルミは何処だ…っ俺のせいで今頃泣いているかもしれない。
ごめんなイルミ、会ったら最初に謝らせて。

「…クソ…ッ」

〜♪

携帯の着信が入った。
……ヒソカか?こんな時になんの用だ。

「…!!」

画面を見た途端に足が勝手に動いて、目的地へと向かっていった。

イルミ、イルミイルミ!!
俺から離れるなんて絶対ダメだっましてやクロロなんかに…っ!!

「っ此処だな」


“キミの可愛い弟が蜘蛛の頭に襲われてるよ◆”


「ああ、楽しみだなァ…♪」

.

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