お兄ちゃん

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「む…」

名無しは旅団から帰って来てから「寒い」と言ってあの女のマフラーを巻いてる。
ものすごくあったかそう…。
別に、羨ましいとかじゃなくて…マフラーなんかより、オレの方があったかいよって言いたくて…。

それとなく伝えてみた。

「ちょっと暑い、かも…オレだけかなぁ…?」

「暑いの?脱ぐ?」

「……う、」

手強い…!違うよ名無し、抱き締めて欲しいんだよ。

「オレ、そのマフラーよりあったかいよ…?///」

恥ずかしくて俯いちゃったけど、ちら、と名無しを見つめる。

「…っ///」

「?」

口元に手を覆ってそっぽ向いちゃった…ヘンだったかな…。
抱き締めて欲しいのに、そのマフラー巻いてるから…っ!

「名無し…っ(うるうる)」

「不意打ち過ぎ…//」

「!」

マフラーを外して両手を広げてくれた。
抱きついていいの?ね、もう抱きついちゃうよ?

「…ふふ///」

ほら、オレの方があったかいでしょ?
あの女なんかに負けないんだから。
オレだって…料理とか、えっと…さ、さいほうだって得意だしっ!

ぎゅーって名無しに抱きついて決意した。



「…女子力、高めてやる…!」



「…ι」




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