過去の拍手お礼小説

□同じ気持ち
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『同じ気持ち』

 このお話は「and(miracle,dream,happy)」シリーズの「短編集」内にある『不在と不安と心の絆』の内容に添ったお話となっておりますので、そちらも読まれるとよりわかりやすいです。



バアちゃんが「健康診断にいけ!」と、まとまった休みを3日くれたってばよ。

その休みの初日の朝。目を覚ますとシカマルは既に任務に出かけたあとだった。

昨日の情事の名残をシャワーで洗い流そうと裸になれば、「!?」なんじゃこりゃ〜! 全身キスマークだらけだってばよ!

シカマルの奴〜。だからヤメろって言ったのに、絶対、俺の健康診断忘れてるってばよ。

ど〜すんだよ、これ!とワナワナしながら洗濯をしていると、サクラちゃんが血相を変えてやって来た。

ヨシノのおばちゃんが倒れたって言った。俺は洗濯物もそのままに慌てて家を飛び出したってばよ。

シカクのおっちゃんはバアちゃんに付いて他里に行っていないし、シカマルも任務でいないってことで、サクラちゃんは俺に知らせてくれた。ありがとう〜。サクラちゃん!恩に着るってばよ〜。

風邪をこじらせ肺炎になりかかっていたヨシノのおばちゃんは、今は熱も下がり落ち着いている。よかったってばよ。

今日で、俺が知らせを聞いて家を飛び出してから3日目で、丁度シカマルが任務から帰って来る日になっていた。

シカマル、早ければ午前中に戻れるって言ってたってばよ。

シカマルにおばちゃんのことを言わなければいけないし、俺も風呂とか入りたいしで、おばちゃんとサクラちゃんに言って、一旦、家に戻ることにした。

家に戻れば、既にシカマルは帰っていて、俺がいないことにどうやらアタフタしていたようだ。

おばちゃんのことをシカマルに話したら、やっぱり凄く驚いていた。今は食欲も出て落ち着いていることを言ったら、ホッとした顔をしたってば。二人で後から一緒に病院に行くことにして、そのためにも、お互い、風呂に入ってサッパリしたい。

「一緒に入るか?」と言うシカマルに、俺も同意する。脱いだ服を洗濯機の中へ入れようとして、そういえば、洗濯が途中だったことを思い出す。俺ってば慌ててたもんなぁ。

ふと見れば、洗濯機の横にある籠の中にはシカマルの汚れた忍服が入っていた。シカマル、「めんどくせぇ」と言いつつも汚れ物はしっかり別にしてくれる。

こんな些細な気配りが嬉しいって思うのは、一緒に暮らしてわかったことだってばよ。

浴槽にお湯を溜めながら、シャワーでお互い体を洗った。自分で洗った方が早いけど、「洗ってやる」と言うシカマルに任せる。

触り方がいやらしくて、俺のモノが半立ちになったけど、シカマルのもそうなのでお互い様ってことで気にしない。

二人一緒に湯船に浸かれば、せっかく溜まったお湯が、滝のようにザバーッと勢いよく流れていく。

男2人が一緒に入るには、ちょっと狭いので、シカマルの股の間に俺が入って、ピッタリと背中をシカマルの胸にくっつける形になるってばよ。

俺の腰の辺りに当たるシカマルのモノが硬くなってきてるのがわかり、気にはなるけど、今は、ゆっくりお湯に浸かりたい。


「はぁ〜。狭いな」

「男2人は無理だってばよ」

「けど、この密着感はいいな」


言いながら、腰を揺らしてシカマルのモノを主張してくる。


「シカマル。俺、ゆっくり浸かりたいってばよ」

「はいはい。なぁ、ナルト」

「ん〜?」


お湯の気持ち良さにすっかり脱力した俺は、シカマルの肩に頭を預ける。


「いつか引っ越す時はよ、風呂のデカイ家にすっか」

「うん」


いつか引っ越す時か・・・。

あ。そうだ。


「シカマル。あのさ」


頭を起こして今度はシカマルの首筋の方に傾けた。


「ん?」

「サクラちゃんから聞いたんだけどさ」

「うん?」

「ヨシノのおばちゃんさ、シカマルが家を出てから張り合いがなくなったんだって」

「・・・・・」

「俺達のことはもちろん嬉しいことなんだって」

「・・・そっか」

「親になったら遅かれ早かれ子どもの自立で、そんな気分を味わうものなんだって、笑って言ってたんだって」

「・・・そっか」

「デカイ風呂だけどさ」

「あ?」

「あるってばよ。デカイ風呂のある家」

「は?」

「シカマルんちの風呂。デカイってばよ。男2人で余裕で入れるってば」

「え?おまえ、それって・・・」

「38のシカマルがさ。言ってなかったっけ?子ども達はヨシノのおばちゃんが面倒みてて張り切ってるって」

「ああ、そういえば、ンなこと言ってたな」

「ってことはさ、いつか、シカマルんちで暮らすんだよな?俺達」

「・・・そういうことになるのか?まぁ、火影になったら火影邸だろうがな・・・」

「うん。だからさ、いつか引っ越す時は、シカマルんちだってばよ」

「ナルト・・・」

「俺ってば、沢山で住んだことないから今から楽しみだってばよ」

「そうだな」


言いながらシカマルが優しく俺をギュッとした。


「あ!そうだ!シカマル〜。ヨシノのおばちゃんに言っちゃえばいいってばよ。そうしたら、おばちゃんも張りが出るってばよ」

「言うって何を?」

「子どもが出来ること」

「ヤだね」

「なんでだよう」

「急かされたくねぇし。知らない方がいいってこともあるんだよ」

「ふうん」

「それより、ナルト」


シカマルの手が、脇腹から腹を辿って確認するように俺のモノを触る。


「おまえも立ってるな」

「シカマルのは、ずっ〜と立ってるってばよ」


やわやわと握り込んで上下に扱き始めたシカマルに、「ここでやるのか?」と聞くと、「いいじゃねぇかよ」と、フッと笑った。

エロモードになったシカマルは男臭く、カッコイイ。

俺で、シカマルがこんな風になるのかと思うと、何されても嬉しいって思う。


あ。だけど、今度はちゃんと聞いてもらうってばよ。


「シカマル」

「ん?」

「俺、明日から任務あるから、キスマークは禁止だってばよ」

「!?」


ちょっとバツが悪い顔をしてハハッと笑う。


「悪かったって。付けねぇから安心しろ」

「気絶するまでやるのもダメ」

「はぁ?それはおまえ側だろ?気持ち良くなって、すぐ意識飛ばすのは誰だよ?」

「シカマルが気持ち良くするからだろ。それに、俺、知らない間に一人はイヤだってばよ」

「え?」

「朝起きたら、一人でさ。シカマル出かけたんだとわかってるのに、部屋の中探しちゃうってばよ」

「・・・・・」

「俺、いってらっしゃいって言うつもりだったのに」

「・・・悪ぃ」

「そ〜だよ。シカマルが悪い」

「オレが悪いか」

「うん」

「そうだな。オレが悪い」


シカマルは、ナルトの気持ちが手に取るようにわかった。自分だって、ナルトの不在に不安になったのだ。

ナルトもまた、自分と同じようにオレの不在に不安になっていた。

フッ。何だよオレ達、似たようなことやってんじゃねぇか。

笑えるぜ。


ああ。今、めちゃめちゃおまえを可愛がりたい。

ナルト。おまえも今、同じ気持ちだろ?



end

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