「and(miracle,dream,happy)」シリーズ短編集
□その後の大晦日
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今年最後の任務に行った帰り、雪で足止めをくらい予定通り帰れないというハプニングがあった。
そんな労をねぎらい、帰里したオレらに五代目が休暇をくれる。それには二人の隊員も大喜びだ。
オレは、ナルトとの約束を守れなかったこともあり、約束の一つ、温泉で体を温めたいと、厚かましくも五代目に申し出た。
ナルトから温泉に行くことを聞いていたのかいないのかわからないが、それは了承され、五代目が用意してくれた温泉宿で、オレはナルトと淫らな半日を過ごす。
翌日はまだ休暇という安心感と、久しぶりのセックスと、任務後の高揚で治まらないオレは、幾度となくナルトを抱いた。
次の日、ナルトは使い物にならず、五代目からお叱りを受けるハメになった。さすがにこの時の五代目は恐ろしかった。次は、ねえなと肝に命じる。
翌28日には、ナルトも復活。オレも当初の予定であるサクラから頼まれた事務処理の手伝いに入った。
慌ただしく日にちが過ぎ、気がつけば大晦日。オレもナルトも任務や用事はない。今日はのんびりと年越しの買い物に出かけることにした。
「おい。ナルト。行くぞ」
「おう」
最近のナルトは、暇さえあれば指輪を眺めてニヤニヤしている。そんなに嬉しがられて、オレも贈ったかいがある。
鍵をかけ、商店街へ向かう。時間はたっぷりあるので遠回りをしたっていい。
「散歩しながら行くか?」
「あ、それ。いいってばよ」
どう行っても商店街への道はわかってる。分かれ道の度にどっちへ行くか決めて歩いていた。
「あ、そうだ。シカマル」
「ん?」
「正月にシカマルんちに行ったら、シカマル、おばちゃんに怒られると思うってばよ」
また突拍子もないことを。
「なんでオレが怒られるんだよ」
「昨日、おばちゃんとこに料理習いに行ってさ。その時、指輪の話になって『今頃渡すなんて何なのあの子! とっちめてやるわ!』って言ってたってばよ」
「おいおい、勘弁してくれよ。お袋、怒り出すと長いんだよ」
「でもさ『偉い!』って褒めてもいたってばよ」
「へぇ?」
「『指輪が買えるくらい稼げるようになったのね』だってさ」
「そっちかよ。お袋はオレのこと過小評価し過ぎなんだよ」
「そうでもないってばよ〜」
ヨシノのおばちゃんは、シカクのおっちゃんやシカマルのことを誇りに思ってる。そして、俺のことも。嬉しいってばよ。
そんなことを話しながら歩いていると、前方にまた分かれ道が出て来た。「どっちだ?」とシカマルが聞いてくる。
う〜ん。商店街から遠くなっても後が大変だし、こっちは、キバんちの方向だから・・・!?
「あっ! 俺、大事なことがあったってばよ」
「またかよ」
「俺、キバにクリスマスプレゼントの礼言ったら、勉強しろって笑われたってばよ」
「あ〜ま〜、そうかもな」
「で、キバが、勉強して感想聞かせてくれ。だってさ」
「それはダメだ」
シカマルが商店街方向に歩き出した。俺もそっちについていく。ちょっとシカマルムッとしてるってばよ?
今までも今も修行一筋の俺は、みんなが言うように色々と疎いらしい。特にH関係はそうらしい。
エロ仙人に性教育受けたっていっても、基本中の基本で知識だけだってばよ。実践はシカマルからだし。周りから見聞きするエロい情報はシカマルがよい顔をしないし。でも、わからないことはシカマルが教えてくれるってばよ。
周りのみんなも、こんな俺でいいっていうしさ。それでもやっぱり少しは勉強したほうがいいってばよ? キバも、マンネリにならないようにしろとか、Hは大事とか言ってたしなぁ。よしっ!
「シカマル〜。俺、頑張って勉強するってばよ」
「は?」
「だから、キバからのプレゼント使って色々教えてくれってばよ」
何言ってんだという様な顔をしたシカマルが、次には笑い出し「わかった」と言った。
「オレはスパルタだからな、覚悟しとけ」
「任しとけってばよ」
さらにシカマルが大笑いをする。ちょっと笑いすぎだってばよ。
大分、賑やかな通りになってきた。周りの店先に並んでいる物を見て買わなければいけない物を思い出す。
「シカマル。しめ繩買うんだよな?」
「ああ。締め括りだからな」
シカマルと一緒に暮らし始めて色々と知る習慣のあれこれ。
しめ繩は一年の終わりの大晦日の夜に取り付けて、今年の嫌なこと悪いことを来年に持ち越さないという意味で締めるのだ知った。
慣わしにはきちんと意味があるのだと教えてくれるシカマル。
俺ってば、この先ズ〜ッとシカマルと一緒にいるから、もしかして俺もシカマルみたいに賢くなっちゃうってばよ?
元が違うからそんなことはないか。
とりあえず、今年一年、ありがとってばよ。シカマル!
end
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2013年最後のUPです。
読んでくださりありがとうございました〜 (^^)v
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