戴き物
□そう、平行線。
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「は?お前なんでいんだよ」
「俺はお前がここにいたのが意外だがな」
「……………………」
「なんでここにいたんだ?」
「……別に、気分だ気分。おら、そこどけ」
お前見てると、さっきのが頭にチラついてしょうがねぇ、という言葉は飲み込んで姫川をさけて帰ろうとした。
「おいこらまて」
「うおっ」
いきなり腕を引かれ、バランスを少し崩す。
「っと、あぶねー………てめぇ、いきなり何すんだよ!!」
「………………………さっきの女は、断った」
「……………………!!!」
その言葉を聞いた瞬間、ものすごい安心感でみたされた。
とても安堵した。
でも、それ以上は言ってはいけないんだ。
「……………………あぁそうかよ、残念だったな。」
「………………………別に」
『そう、平行線』
(よかった、なんて言えない)
(お前が好きだなんて言えない)
(あくまでも俺らは、交わらない平行線なんだ。)
→あとがき