戴き物

□そう、平行線。
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放課後。
教室には誰もいなく、ただ焼けるような夕焼けが窓から見えた。

無人の教室にオレンジ色の光はなんだかキレイで、自席に座りながらずっと眺めていた。

なぜ、いつも夏目と城山と一緒に帰っている時間に自分一人が残っているのか。


それはーーーー。




「あ、あのっ…私、ずっと姫川先輩のこと……」





つい先ほど、見た光景。
そう、姫川はけっこうイケメンの部類なので、モテるのだ。

俺は密かにあいつのことを想ってはいるが、別に付き合ってなどいない。
というか、気持ちすら伝える気もない。

男同士とかそんなのいろいろわかっているつもりだったのに、なんだかとてもむしゃくしゃして、夏目達を置いてこの教室に来てしまったのだ。


「………ハァ、意味わかんねぇな………………。」



絶対夏目には感づかれている。
ていうか多分これは自爆した。
こんなことをしても何の意味も無いのはわかってるのに………………

「…………帰るか」





そう呟いて、教室のドアを引いた……………………ら。

ガラッ
「うおっ!?」


目の前に姫川がいた。







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