蠅王短篇
□summer!
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あっつー…。
なんでこんなに暑いんだ、日本の夏。
時は昼過ぎ。
太陽も天辺を過ぎ、もう間も無く放課後になろうとしている教室に眩しい光を射し込む。
ふと隣を見れば、あまりの暑さにぐったりしているベル坊と古市。
机に突っ伏す古市の手には、何やら水色のボトルが握られている。
「古市、なんだソレ?」
「あー、これ?シー○リーズ。使うか?」
軽く首を傾げながらボトルを差し出す古市。
あー、可愛いなクソッ…。
「ん。」
首筋の髪を掻き上げ、古市に背を向ける。
「えぇ!?なに、俺に塗れって!?」
ちらっと後ろを振り向けば、あからさまに照れてるアイツの顔が目に入る。
「はやくしろよー。」
もっと照れた顔が見たくて急かす。
古市は少し躊躇ったが、やっと観念したのかボトルから液体を手に出す。
「うわっ!冷たっ!」
古市の手が首筋に当たった途端、ゾクリと背筋が凍る。
「てめー、古市、何しやがった?」
「塗っただけだろー。まだ塗るかー?」
古市にゾクゾクさせられるとかちょっと気に入らねぇから、いじめてやる←
「なぁ、古市、前もやってくんねぇ?」