蠅王短篇

□日常
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古「男鹿!今日何の日かわかるか⁉︎」



いつも通りの登校途中、ちょっとワクワクしながら男鹿に尋ねる。



いくら何でも、男鹿くらいは覚えてくれてるだろう…と。



男「む?…あー、アレだ。ポッ○ーの日だろ。」



古「くっそぉぉお!どいつもこいつもグ○コの思惑に惑わされてますねぇ⁉︎ 俺だって…、俺だって邦枝さんとか寧々さんとかとポッ○ーゲームした『キモ市、おはよう。』…⁉︎(ゾクッ)」



校門の前に差し掛かった辺りで烈怒帝瑠の皆さんに遭遇。



一瞬、鎖が首元を掠めたのは気のせいだろうか…。



古「寧々さん!今日って何の日か…⁉︎」



寧「キモ市、何か言った?」



可憐に振り返った寧々さんは今までに見たことが無い程の満面の笑みでいらっしゃいました。



古「いえ、何も!」



-*-*-*-*-



古「…んだよ、結局誰も覚えてなかった…。いや、何となくそんな気はしてたけどさぁ。」



男「何独り言いってんの、キモ市くん。」



古「ちょ、待てぇぇぇえ!」



誰にも思い出してもらえぬまま、結局放課後になってしまった。



まぁ、こんなもんだよなぁ…。



帰ってアランドロンにでも…いや、俺何考えてんの?



朝来た道を戻り、フジノに寄って男鹿宅へ。



いつも通り。



例え今日が誰の誕生日であっても、何ら日常が変わることなんてない。



俺だって、もし今日が東邦神姫の誰かの誕生日だと言われても、邦枝さんはともかく他3人なんて知るかって感じだ。



ましてや、もう高校生だもんな…。



古「はぁ…。」



空を見ても、11月の夕方特有の澄んだオレンジ色が”いつも通り”広がっているだけだ。



男「何してんだ?はやく入れよ、皆待ってんぜ。」



古「皆…?」



玄関の扉を開け、靴を脱ぎ、男鹿宅の、リビングのドアノブに手をかける____…。





『日常』





「「「古市、誕生日おめでとう!」」」





end.

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