古の君色-イニシエノキミイロ-

□第2話
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『よし、体育祭の種目決めしまーす!!』





去年から行事の実行委員と言いますか、

こういう仕切りの仕事はうっちーのご指名で去年からやらされてる為もう慣れちゃいましたよね、はい。






『これから黒板に書いてくんで男女別れてやる種目一つずつ、やりたいやつに手上げてくださーい』

杏「それであたしは毎年黒板にこれを書くということですね…」

『そういうことです』

杏「名無しさんとのペアはこりごりだ…」


ボソッと言ったこと、ちゃんとわたしの耳に届いちゃってますよ。


ちなみにこの男女で分かれて決める種目は紙に書いてある中からクラスの中でやりたいものを決め、

その後実行委員でそれぞれのクラスで決まったやりたい種目を集計し男女の種目が決まる。


ま、言ってみれば面倒なんです。


で、この面倒くさい上に空気を読まないやつが必ずいるわけで。





男「体育祭とかつまんなくね笑」





ほら、きた。

てかあれ去年あたしと同じクラスのやつじゃん。
また同じこと言ってるし…

















悠「(ったく空気読めよ)」

そう思った悠斗は言葉を発した奴に一言言うべく口を開いた。



悠「おま…」

が、名無しさんによって遮られた。



『ちょっと、あんた!!去年も同じこと言ってなかったっけ!?』

男「…あ?」

『あ?じゃない!!!!!!怒怒』

男「…うわ……でたー…」

杏「(また始まった…苦笑)」


杏菜は頭をかきながら悟った。



『去年あんたはあたしと同じクラスだったから分かるだろうけど今年初めてあたしと同じクラスになった人のために改めて言います』



悠「…どうしたのあいつ」

勇「なんか…燃えてる…」


ふたりは苦笑にも近いようななんとも言えない顔をした。






当の名無しさんはバン!!と勢い良く両手で机を叩き付けて再び言った。



『あたしと同じクラスになったからには行事に関して本気で優勝を狙ってく!!
手ぇ抜いた奴は残って練習やらなんやらやらせるから!!』


「覚悟しとけ!!」なんて大声で叫ぶ。



悠「(あいつはほんとに女なのかよ…)」

悠斗がそう思うのも無理は無い。





すると名無しさんを見ながら勇人は悠斗に言った。

勇「女子であぁやって盛り上げてくれるのってえぇな」

と。




悠「…そうだな。やってやろうって気になれる」

勇「な」




チラッと勇人をみながら
その言葉を流した。





あまり深く考えないように。








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