古の君色-イニシエノキミイロ-
□第3話
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『とりあえず休憩しようかー』
体育祭まで
残り2日まで迫ってきた今日。
いつものようにクラスでの種目である大縄跳びの練習をしているところ。
杏「あたし正直サボるやつ一人は絶対いるだろうと思ったけどみんなちゃんと練習来てくれてるね」
首にタオルをかけながら名無しさんの隣に座る杏菜。
『あたしが喝入れたからね!』
杏「それは否定しないけど(笑)」
名無しさんは「んー」と伸びをしながら杏菜に言う。
『部活の人達も終わってから少しでも練習加わってくれるしほんとよかったよ』
杏「そうだね」
『でもさ、もう練習し始めてから半月くらい経つけどなかなか回数増えないんだよなー…』
杏「それなんだよね、問題は。みんなそれぞれ自分なりに頑張ってるんだけど息があわないっていうか…(笑)」
『本番2日後だし焦ってイライラし始めてる人もいると思う』
杏「それが爆発しなければいいけど…」
『んー…なんかいい方法…』
なんて言ってるそばから
ことが起きてしまった。
「これ、やる意味なくない?」
「回数増えないし」
「大体同じ奴らが引っ掛けて回数とまらせてんじゃん」
「優勝めざしてなんて正直無理」
男子からも女子からも非難の声。
こればっかりは
もうどうすることもできない。
『…でもさ、練習しなかったら回数も増えていかないから』
男「現状半月も練習してんのに回数増えて無いのはどう説明すんの?」
『それは…』
男「名無しさんとか若水には悪いけど俺先帰るわ」
杏「な、ちょっと…!」
女「確かにそろそろ限界。あたしも帰るわ」
そうして残ったクラスメイトは3割ほどになってしまった。
そんな中、一人が名無しさんに声をかけた。
女「ごめん、あたしがみんなの足ひっぱっちゃって…」
今にも泣きそうな顔をして言う。
その子は確かに何度も引っ掛けていて回数を止めてる一人だ。
『何言ってんの!!誰のせいでもないんだからそんな事言っちゃだめだよ』
女「でも…」
『はいはい、でもとか言わない!!
とりあえずこんな人数減っちゃったし今日は解散にしよ』
そして名無しさん、杏菜、悠斗は部活が終わったクラスメイトに解散したことを伝えるため、その場に残った。
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