古の君色-イニシエノキミイロ-

□第4話
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只今現代文の授業中。





昨日は海で思い切り遊んだため授業中に寝ている生徒が多数だった。








『Zzz…』
名無しさんもその一人である。






杏「体育祭明日なのに体のあちこちが筋肉痛とかやばいよ…」

勇「俺は全然平気」

悠「さすが現役野球部」

勇「讃えなさい、讃えなさい」


両腰に手をあて胸を張りながら堂々と言う勇人。



杏「名無しさんはお疲れみたいだね」

勇「昨日めっちゃ頑張ってくれたから」


3人は名無しさんを見ると
心の中で感謝をした。




と、同時に少し寝ている名無しさんの顔にギョッとする。








悠「…こいつ」

勇「すんごいアホ面」

杏「どんな夢みてんだか」


笑いを堪える3人を他所に授業終了のチャイムが鳴った。

















杏「名無しさん!!」

『…んー』

杏「次体育だから起きないと」

『…ん……もう授業終わったの…?』


明らかに眠そうな顔をして言う。


杏「終わったよ」

『んーじゃー更衣室れっつごー』


全て棒読みになっている名無しさんを華麗にスルーして杏菜も更衣室に向かったのだった。



















―――
――






体育館にて。












『今日もバスケか』

杏「体育祭でやるからって言って
井出(体育教師)に言ったのあんたでしょーが」

『そうでしたそうでした。てかさ、バスケとか野球って普通球技大会でやるものだと思うんだけど』

杏「あたしも思ったよ、それ」





『…ま、あたしバスケ好きだからいいんだけどね』





話をしているといつもいるはずのない男子が体育館にやってきた。








『あ、今日雨だから外で野球出来ないのか』

杏「えー男子いるなら試合出来る時間少なくなっちゃう」

『本番明日なのにね』



先「はい、じゃー皆集合ー」


先生の声がかかるとそれぞれ筋肉痛である体を引きずって集合する。








先「とりあえず女子はいつも通りバスケの試合やるからゼッケンもって始めといていいぞー」

「はーい」と言って
女子はその場から離れた。






先「問題は男子なんだよ。本来なら野球なんだけど出来ないからやることないんだよ」


本気で困ってる先生を他所に勇人が言った。


勇「昨日俺らめっちゃ野球の練習しまくって筋肉痛なんスよ。女子の邪魔にもなるし端でおとなしく見学してます」


堂々と嘘をつく勇人だが筋肉痛である皆は「よく言った」というような顔で勇人をみた。


先「そうかー?じゃ、まぁそれでもいいか」


この学校には緩い先生しかいないのだろうか。





そのまま男子は体育館のステージの上でおとなしく見学する事になった。






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