古の君色-イニシエノキミイロ-

□第5話
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待ちに待った体育祭当日。






「この緊張、懐かしい」






体育館の中を見渡すとギャラリーがたくさんいた。






そう。


これからあたしたちのクラスのバスケの初戦。







杏「やっぱり、球技大会じゃんねこれ」


「この学校おかしいもん」


杏「んま、やるからには優勝、しなきゃねキャプテン?」


「なんであたしがキャプテンなの笑」


杏「なんとなく? てかなんでこんなにうまいのにバスケ部入んないの? バスケ部の人に入ってって縋(すが)まれてたじゃん」


「もー長い間強制的にやらされる部活は懲り懲りなの。チーム戦で戦う競技なんて特に…」







杏菜は少し悲しそうな顔をした名無しさんにそれ以上のことは聞かなかった。








杏「あ、集合だって」


「ん、行こうか」








杏菜に言われ集合してちょっとした説明を審判からされている間あたしは周りを見渡す。




少し視線を感じそっちを向いて視線を合わせるとものすごい笑顔で


その上両手を広げてぶんぶん大きく手を振ってくる人。





「(ははっ、勇人らしい)」





こっちも手を振る。





すると今度は

口パクで言葉を伝えてきた。







「(が…ん…ば……れ…?)」


そう解釈したあたしはまた口パクで

「任せて」とガッツポーズをしながら伝えた。





そのあと杏菜に「審判の話しを聞け!!」と怒られたのはいうまでもない。

















審「それではジャンパーは円の中へ」




2人円の中に入る。


審判が

高くボールをあげ試合が始まった。












初戦だけあって自分たちの方が優勢だった。


まぁバスケ経験者が多いからね。





徐々に点数の差が開き余裕が出てきたため、いろんな人にパスを回して点を決める。









やっぱり、あたしはバスケが好き。



でもそう思うのはきっと、今日限り。








最終的に終わるまで点差をどんどん広げてあたしたちのクラスは圧勝した。







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