失くしたモノ
□いち
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ある日、いつだっただろう。
クラスメイトの誰かに言われたんだ。
「あんたって生きていても、意味ないよね。だって異端だからね。」
あまり深く考えなかった。
逆にそうかもしれない、と。
私は、思ってしまったんだ。
それなら、ね?
「さようなら。」
私の口から発せられた言葉は、伝わることもなく。
みんなとの距離が広がっていく。
確かあそこは、三階だったような。
あぁ、身体に圧力がかかって重い。
スピードがどんどん速くなる。
未練があるなら……、一つだけ。
“誰でもいい。誰でもいいから私を必要として欲しかった。
ーーー愛してほしかった…。”
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