ハレルヤチャンス

□卒業式
1ページ/16ページ

「何か〜、もうちょっと感動するって思ってたんだけどな・・・」

優は、少しつまらなさそうに言いながら体育館から教室まで戻っている


「俺は感動したぞ。式の間中、走馬灯の様にお前達との思い出が蘇ってきたから。」


才の顔を見たら、目がウルウルしていて、すっげぇ可愛かった


だから、才と少しの間見つめ合ってしまった


「お前達、何見つめ合ってんねん?てか冴、お前なんちゅう顔して才を見てんねん!はーちゃーん!おーい、ここにライバルがおるで〜」


するとニコニコして、はーちゃんがやってきた


「宮澤君、どんな顔して才を見てたの 〜?見つめ合ってたなんて嫉妬しちゃうな。」


「おいよいよい、冴は別に才のウルウルしている顔見て可愛いとか思ってないし。」

必死で否定したつもりだった



「冴!お前自分で墓穴掘ってるぜ〜!」


『ギャッハッハッハ』


皆お腹抱えて笑っていた



「宮澤君がライバルだったなんて知らなかったなぁ!」

はーちゃんから、からかわれたから思わず


「はぁ?冴はゴリラ何て好きじゃないし!ちゃんと女の子が好きだもん!黒髪が似合って、清楚で、お天気お姉さんが似合いそうな可愛い女の子・・・」

自然と思い出すりんちゃんの顔

つい頬が緩んでニヤニヤしちゃってた



「冴、お前やっぱり、まだ」

増田が何が言おうとした時



優と才が声を合わせて

『好きな人出来たんだ!!』

って嬉しそうに言ってきた



「しー、しー、声デカイから!本当に声デカイ!ついでに鼻の穴もデカイから!」


「うほっ!それ今関係ないから!」

才がさっきとは違う意味で目をウルウルさせた


「大島さんが、冴の好きな人当てるぜ〜!」


勘が鋭い優だからすっげぇ心臓がドキドキする


「冴が好きな人は、ドゥルルルルルル・・・」


雰囲気を出すためにドラムロールの音を器用に出す




「やっぱり止めようよ?はーちゃんも居るし、それにもうホームルーム始まっちゃうよ?急ごう?」

そう言って優の口を押さえて走り出した



教室に入った途端、優が手を噛んだ


「っぷはぁ〜!マジで死にかけた!冴のバカ〜!」

ぴょんぴょん跳んで、頭を叩いてくる


「ごめん、優、嫌いにならないで!冴、優に嫌われたら泣いちゃうよ。優好きだよ〜!」

ぎゅっと優を抱き締めた


「ちょっ、止めろよ?俺にはこじぱがいるからダメぜ〜!」

必死に優が冴の腕から逃げようとする




「何してんだ?バカ二人?」

ノンティーが呆れてる


「最後のホームルーム始めるから早く座れ。」


ノンティーに言われた通り大人しく座った


そして、先生の話が終わると、あっさり解散だった



真っ先にりんちゃんの席に向かおうとした

でも、すぐに友達に捕まった


その後も冴は何人もの友達に呼ばれて、何枚も写真を撮ったり、話したりした



中には今までで話したことない同級生の女の子もいた


りんちゃんと写真撮りたいなぁって思ってるんだけど、5分くらい前にはーちゃんと一緒に教室を出て行ってしまった




隣のクラスの背が低くて、可愛らしい女の子と写真を撮り終わると、顔を真っ赤にさせ、モジモジしながら冴に言ってきた


「み、宮澤君、あの〜、もし、もし良かったら、だ、第二ボタンくれませんか?」


「うぇっ?これ?えっと・・・」


『ひゅーひゅー』

『さすがモテキングだね〜』

周りが囃し立てる



「おいよいよい、そういうのは、止めてよ。」

囃し立てる友達に言った


そして、女の子に対して

「あの〜、ごめんね。実は、この第二ボタンは、もう渡したい人を決めているからあげれないんだ。」


「えっ?宮澤君って付き合ってる人居なかったよね?ということは、好きな人がいるの?」
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ