ハレルヤチャンス

□クラスマッチ
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教室に入るとりんちゃんが居た


あの頃はずっと外に居て、途中で教室に戻ったりしたことなんてなかった


てか、クラスマッチは後輩の女の子達に捕まったり、親友と馬鹿騒ぎしていた気がする


だからクラスマッチの日にりんちゃんと話した記憶があまりない





しかも、教室には冴とりんちゃんの2人だけだった


チャンスだと思った


冴、未来を変える為に頑張ります!


まずは、警戒されないように、当たり障りの無い内容で・・・


「柏木さん。クラスマッチどうだった?冴応援しに行きたかったんだけど、行けなくてさ・・・」


「2回戦で負けちゃいました。だから決勝は行けません。」


「そっかぁ。じゃあ男子は決勝出るから応援してよ。冴頑張るから!」



「・・・宮澤さんって人気あるんですね。私、男子の応援しててびっくりしちゃった。きっと決勝はもっと凄いだろうね。」



あの頃は、りんちゃんが応援してくれていたことに全く気がつかなかった


もしかしたら女の子達と仲良く話していたこともみられているかもしれない



いや、見られていたな


冴のバカやろ〜


「普段は全然人気ないよ。優の人気分けて欲しいぐらい。にゃはは〜。クラスマッチの時だけ、皆応援してくれるだけだよ。」


「そんなことないよ。だって、河西さんとかいつも宮澤さんのこと王子様って言ってるし。」


ともーみの話題は出来るだけ避けたいから、得意の話題変え作戦だ〜


そして、変態ババアに言われたようにアピールしなきゃね



「柏木さん!もし、クラスマッチ優勝したら冴のこと名前で呼んでくださえ。」


「えっ、いきなりどうしたの?」


「冴も優勝したら名前で呼んで良い?」


「えっ、うん。良いよ。」


「やったー!冴めちゃくちゃ頑張るから!」


「うん。頑張ってね!私も応援するよ!」


胸のドキドキが止まらない


本当はクラスマッチ優勝したらデートしてって言いたかったけど、言えなかった


「宮澤さん、運動の時は糖分取った方が良いって知ってましたか?」


「あ〜だからか。バスケの試合の度に大量のバナナが差し入れされるからどうしてだろうと思ってたんだ。ずっと秋元家の大好物がバナナだから差し入れもバナナだと思っていた。でも今日で謎が解けました。」



「それは秋元くんの好みの気がするけど。うふふ。」


りんちゃんが笑っていたから嬉しかった


「宮澤さんにこれあげます。良かったら糖分補給と思って決勝前にでも食べて下さい。」



三角のいちごの飴をもらった



「ありがとう。冴この飴が一番好きなんだ。これで、優勝決まったね。」


「あっ、宮澤さんミサンガ付けてましたっけ?」


「うぇっ。いや、えっと、勝手に付けられちゃったんだよね。外したいけど外れなくて困ってたんだよ。あはは・・・」


「そっかぁ。私ミサンガとか作ったこと無いから、きっとミサンガ作った人は器用なんだと思います!」


「柏木さん、ハサミ持ってる!冴このミサンガ外したいんだ。」


「えっ、良いんですか?せっかく貰ったミサンガをハサミで切ったりして。」


「全然大丈夫。柏木さんから貰ったミサンガならずっと付けとくけど、このミサンガは無理やりつけられたものだから、外したいんだ。」


りんちゃんが急に俯いて、ハサミを渡してきたから怒ったのかと思った


ヤバいなぁっ、アピールし過ぎたかなとか思って反省しつつミサンガを切った



「ハサミありがとう。じゃあ、そろそろ決勝だから行くね。」



「・・・宮澤さんの好きな色って何色ですか?」

「えっ、レインボーだけど。」


「あはは。レインボーですか。面白い!今日一番のヒットです。」


りんちゃんが爆笑してくれた


「やったぜ!」


「レインボーちゃんと覚えておきますね。じゃあ頑張ってきてください。」


「うん。行ってきます!」




教室を出た冴は超浮かれていた

気づいたら廊下をスキップしたりもしていた

そして顔のニヤニヤが止まらない
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