ハレルヤチャンス

□未成年の主張
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優が一番に田部を拉致する為に走りだした


「冴、片山さんと話が終わったら、放課後、体育館に来てくれるように伝えてくれ。」


「おおん。才は今日告白するって決めたんだな。」



「あぁ。優や冴のおかげで、一歩踏み出せる。もし、ダメでも何もしないで他のやつに取られるより、きっぱり振られた方がましだと思ったんだ!」


才らしいと思った

やっぱり才は凄い

カッコイい!


そして、冴もりんちゃんに気持ち伝えたいと思い始めた



「じゃあ、行ってきます。」


才とハイタッチを交わして、はーちゃんの元へと駆け出した




ほとんどの生徒は運動場に居るはずなのに、なかなかはーちゃんの姿が見つからない

探してる途中で、番組プロデューサーから

「宮澤さんに告白したい人がいるから、運動場にいてください」


と言われたけど、りんちゃん以外と付き合う気なんて無かった冴は、やらなきゃいけないことがあると言って断った




探しながら、よくよく考えてみた


冴、はーちゃんとあんまり話したことないや

初めて話したのは、高2の冬ぐらいだった気が・・・



まぁ、緊急事態だからこの際関係ない!


時計を見ると、時間は11時


収録は午前中だけだったから、あと1時間だけだ


「優、拉致頑張れ!」
と心の中でエールを送って、冴は校舎の中に入っていった


校舎の中に入ったけど、やっぱり誰も居ないや


だって、みんな運動場にいたもんな

でも、はーちゃんは居なかった


しかも、はーちゃん探しながらりんちゃんも探してたけど居なかった



3階の図書室まで見に行ったけど誰とも会わなかった


途中、理科室から田部の声が聞こえたから、きっと理科室に拉致されたと冴は推理した



教室にも図書室にも居ないとしたらどこに居るんだろうか



諦めて、校舎を出ようとすると、1階の一番奥にある家庭科室から甘い匂いがしてきた



何の気なしに中を覗けば、はーちゃん発見!


冴って天才!



あれ、3人居る


あと2人は誰だろう


とりあえず、はーちゃんを借りて、気持ちを聞かなきゃ


意を決して中に入った



「あの〜、何してるんですか?」


2人が振り返った瞬間、思わず息を飲んだ



「さえちゃんこそどうしたの?」


さえちゃんって呼ばれたよね

聞き間違いじゃないよね


驚いたけど、この前のクラスマッチが終わった後に届いたメールを思い出して納得した



ちょっと緊張しながら名前を呼んでみた

「由紀ちゃんこそ、何でここに居るの?」


「由紀ちゃんってさえちゃんから呼ばれると変な感じがするんだけど。」


あれ?
あのメールでは名前で呼ぶって言ってたよな?


「あっ、ごめん。柏木さん。」


「あっ、また柏木さんに戻った!」


ちょっと、冴はりんちゃんのこと何て呼んでるんだよ!


誰か教えてくれ〜


「さえちゃんから名前で呼ぶって言ったのに、全然名前で呼んでくれないんだもん。」


なるほど

冴が戻った時以外は過去の冴だからね


「由紀ちゃんって呼ぶの緊張しちゃってさ。」


りんちゃんとの会話で、すっかりあとの2人のこと忘れてた
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