ハレルヤチャンス

□高校総体
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「さえちゃんどうしたの?」

「由紀ちゃん、応援来てくれてありがとうね。」


「ううん。バスケの試合見にきたいって言ったの私だもん。」


「由紀ちゃんが来てくれたから、今日は優勝出来るよ!」


「私は応援しか出来ないよ。てか、さっきの試合は、さえちゃん大活躍だったね。」


「そんなことないよ。でも、決勝は冴の勝利の女神様の為にも、絶対に優勝したい!冴、全力で頑張るからしっかり見てて欲しい!」


「うん。しっかり応援するからね。」

「優勝したら、1つだけお願い聞いてくれない?」

「えっ、何?」

「冴と『おい、冴何してるんだよ?早く来いよ』 」


くぅ〜、ゴリラめ!!

一生恨むぞ、こら!!


「分かった。すぐ行くから、先行ってて!」

「おう。遅れんなよ。」


りんちゃんに付き合って欲しいって言おうと思ってたのに


でも、雰囲気も大切だよな



危ない、危ない!


ちょっと焦り過ぎた

「由紀ちゃん、戻ろっか。」

「う、うん。あの、さえちゃん。」

「ん?どうしたの?」


「これ、良かったら糖分補給にどうぞ。」

りんちゃんから、三角のいちごの飴をもらった

「やったー!これ、冴の一番好きな飴なんだ!」


「うん。知ってたから、その飴にしたの。」

「マジで?ヤバい、嬉しくて泣きそう。」

「ちょっと、さえちゃん大げさだよ。」

「いやいや、本当に!ありがとね。」


「喜んでもらえて良かった。さっ、戻ろう?」

「うん。」


グッと奥歯に力入れてるけど、顔がにやけそうでヤバいです



冴も試合で活躍して、絶対りんちゃんにカッコイい所を見せる!


てか、冴たちってもしかして、良い雰囲気じゃない?

チャンスじゃない?

隣にりんちゃんが居るのに、色々妄想してはニヤニヤしてしまう


今の冴の顔見られたら、引かれるぐらいニヤニヤしてると思うから、りんちゃんが居る方の逆を向いて、顔を見られないように歩いていた



何か、幸せだなぁって思っていた


りんちゃんが応援に来てくれるなんて過去には無かった


幸せ過ぎる!

過去に戻ってすぐに、りんちゃんに会えて、りんちゃんと2人っきりで話せて、舞い上がっていた



でも、よく考えてみると、冴たち都大会はベスト4だったはず


どうして決勝に進んでいるのだろう?

あまりに自然過ぎて気づくのが遅れた


また過去が変わっているじゃないか!!


冴が3回過去に戻ったことで、何か変えてしまったのか?

あっ、もしかして・・・

冴があの時、「ぽっちゃん!」


聞き間違えだと思った

でも、聞き間違えることなんて無い



何度も願っていたから


もう一度会いたいと


そして、もう二度と“ぽっちゃん”なんて呼ばれることなど無いと思っていたのに



唯一、彼女だけが呼ぶ愛称が聞こえて、思わず振り返った
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