ハレルヤチャンス

□卒業式
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その質問にどう答えようかと悩んでいると、周りがさわざわし始めた


『宮澤が好きな人いるってよ!!』

『好きな人に第二ボタン渡すってよ!』

『今から好きな人に第二ボタン渡して告白するってよ!』

『キャー』


何か途中から、話が大きくなって、今から冴が告白するって空気になった



「今からって言われても・・・」

「誰なの?」

みんなが冴を見たり、周りをキョロキョロしている


「あの子じゃない?」

「もう、止めてよ〜」

なんて声も聞こえる



「そんなキョロキョロしても、ここには居ないから」

みんなを落ち着かせるために言った


「じゃあ、違うクラスだ!」

「まさか後輩?」

「いや、他校っていう可能性もある!」


りんちゃんが教室に居ないって意味で言ったのに、ますます盛り上がってしまった


みんなの視線に耐えきれなくなった冴は、教室を出た


「冴〜、ちょっと待てよ〜」


優の声が聞こえたけど、無視して体育館に移動した


さっきまで、華やかだった体育館なのに、あっという間に綺麗に片付けられて、いつもの体育館に戻っていた


おもむろにボールを取って、3Pラインに立つ


“シュッ”

ボールは綺麗な弧を描いてリングに吸い込まれた


何本もシュートを打つ


だんだん気持ちが落ち着いてきてた


そろそろ教室も静かになったかな?



戻ろうと思った時、体育館の入口に3人が立っていた



「さっきは、悪かったな。」

「俺たちが助けるべきだったよな。」

「一緒に盛り上がって悪かった。」


次々に親友たちが謝ってきた
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