ハレルヤチャンス

□夏祭り
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りんちゃんのお母さんが出してくれた冷たい麦茶を飲みながら待っていた


「まさか、さえちゃんが迎えに来てくれるとは思わなかったわ」


りんちゃんのお母さんはニコニコしてる



「いきなり来てすみません」


「良いの良いの!いつでも来て?さえちゃんならウェルカムだから!!」


「ありがとうございます!」


しばらくして、二階からパタパタと足音がした


「お母さんどうしよう?髪型本当にこれで良いかな?」



“ガチャっ”

「えええっ!な、何でさえちゃんが?」

「アハハ、お邪魔してます!」


「由紀のこと迎えに来てくれたのよ!」


「うそっ!?本当に?」

「うん!いきなり来てごめんね!!」


「ううん。大丈夫。あの、ちょっとだけ待っててもらえる?バックとってくるから!」


そう言ってまた二階に上がって行った


「うふっ、本当にあの子ったら。さえちゃん、宜しくね」


「はっ、はい!ちゃんと帰りも無事に送り届けます!」


ビシッと敬礼ポーズをする


「うふふっ、似た者同士なのね!」


5分後に二階から再びりんちゃんは降りてきた



「楽しんでね〜」

ニコニコしながら、いや、ニヤニヤしながらりんちゃんのお母さんは見送ってくれた




「ゴクッ、その浴衣似合ってるよ」


「へっ?あ、ありがとう」


意識し過ぎて、喉鳴るとかマジでダサい


頭は、まりちゃんよりも早く告白しなきゃ

まりちゃんの告白を阻止しなきゃで一杯だった



「帰り送るから」

「えっ?」

「由紀ちゃんのお母さんにちゃんと送り届けますって約束したし」


自分でもズルいと思ったけど、これで帰りは二人っきりになれる



「あとさ、お祭りって人多いから、一人で行動したら駄目だからね?危ないし」



「うん。心配してくれてありがとう。でも、何かさえちゃん今日おかしいよ?どうしたの?」


「冴は普通だし!大普通!」

「大普通って何?」

りんちゃんはいつもの笑顔だった



「とにかく、今日は冴のそばから離れちゃ駄目だから」


めちゃくちゃ早口でそう伝えた

ああああ、言ってしまった


「うん!分かった!!」


思いがけない返事にびっくりした
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