ハレルヤチャンス

□過去から今へ
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「やっほー冴男?元気?」

相変わらずのまりちゃんだ


「うん。何?もしかしてまた確認の電話?」

ちょっとだけ不機嫌そうに対応してしまう冴はやっぱりまだまだお子ちゃまだ



「えっ?何で分かったの?もしかして冴男ってエスパー宮澤?アハハ」

すっごい楽しそうに笑うまりちゃん


そりゃそうか

もうすぐ結婚式だもんな

「今日時間ある?」

「もちろん空けてるよ」



「さすが冴男だね!じゃあ今からうちの店に来てよ?」

「えっ?今からって、結婚式もうすぐなのに?」


「もうすぐだから焦ってるんだよ。」


渋々まりちゃんのお店に向かった

毎日のように通ってたお店だったけど、大学を卒業してからはほとんど行っていない


理由は色々あるけれど

やっぱり、りんちゃんの存在が大きかった


“ガチャッ”

「いらっしゃい冴男」

いつもの優しい笑顔で迎えてくれるまりちゃん


「冴男がここに来るの久しぶりだね」

「うん。色々忙しくてさ。」

「あの頃は、誰かさん目当てで通ってたもんね〜」

「やっぱり知ってたんだ」

「まぁね。篠田には、何でもお見通しだからね」

「何でも知ってるくせに酷いよ」

つい本音が出ちゃった


「アハハ。世間話は後でゆっくりするとして、とりあえずこっちこっち」

そう言って連れてこられたのはキッチンだった


ウェディングケーキがある

「もしかして、まりちゃんが作ったの?」

「もちろん!頼まれたからには完璧にしたいわけ!!どうよ?」

りんちゃんに作ってって頼まれたんだろうか

そりゃ、りんちゃんに頼まれたら作れない冴だって作ってあげたいって思うけど


こんなに完璧に作ってしまうなんて

「凄いよ!きっと喜ぶよ。」

「やっぱり?篠田天才だからね!!」


「自分の結婚式で、自分が作ったウェディングケーキを出す人ってなかなか居ないよね。それにこの完成度凄すぎるよ!!」

本当に何でもできる人だ

どこまでもカッコいいと改めて思った


「えっ?自分の結婚式?」
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