パロディ−parody

□個人編【眠れない夜】
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なんだか寝られなくてリビングのソファーにぼーっと座っていた

もうみんなが寝静まり、物音がしないことが少しだけ怖く感じていると足音が聞こえて身体が強張る

「どうした?寝ないのか?」
「わっ!パパ?!」
「あ?なにビビってんだよ」

パパはずかずかとリビングに侵入し、こちらに近寄ってくる

そして隣に腰掛け、さり気なく顔を覗き込む

「寝れねえのか」
「…うん」
「なんかあったのか?」
「別に。そんなんじゃない」

そうは言ったけど、学校でうまくいかないことがあった

考えているうちに眠れなくなっていたのだ

「そうか?」
「うん。パパは寝てなかったの?」
「あ、あぁ…俺にもいろいろあんだよ」
「そうなの?ま、いいけど」
「おい!」

パパも寝られない何かがあったのかと思うと面白くなって笑ってしまった

それを見たパパは顔をしかめたけど、ふっと微笑んだ

「何があったか知らねえけど、あんま深く考えんなよ」
「え?」
「お前の取り柄は笑うことだろ?」
「そ、そうだよね」

パパは頷きながらわたしの肩を掴み、抱き寄せた

急なことで驚き、呼吸が止まりそうになる

「ちょっ!パパ…っ」
「寝れねえなら、寝るまでこうしててやるよ」
「うぅ…わかったよ」

パパの肩に頭を預ける形で、さらにわたしの肩でトントンとやさしく叩かれて

寝るには抜群の体勢と言えるけど、これがパパだと思うとドキドキしてまったく寝ることができない

しょうがなく目を閉じて規則正しい寝息をたてたふりをしていると、手の動きが止まった

「寝た、よな?……あかねも大きくなったな。でもまあ、まだまだ子供なんだが」

不意に頭をなでられ、びくりと肩が震えた

起きてるのがバレたか不安になったが、鈍いパパには大丈夫だったようだ

と安心した瞬間、身体がぐるりと回転し、何事かとびっくりしていると歩く振動を感じて抱き上げられているとわかった

どうやら部屋まで運んでくれるらしい

「昔はよく抱っこしたのにな」

思い出に浸っているようなパパの言葉を聞きつつ、もっとパパとの時間を大切にしたいと思えた

普段は涼太やテツヤと庭でバスケをしているから話す時間が少ないけど、これからは積極的に話しかけようかな

そう考えていると部屋に着いたらしく、ベッドにやさしく降ろされた

こういうとき雑にしないからパパのやさしさを感じることができるのだ

「おやすみな」

乱れた髪を直し、頭をひと撫でしてパパは部屋を出て行った

天井を見上げてふう、と深呼吸し、気が付くとさっきまで悩んでいたことがなんとかなる気がしてくる

これもパパのおかげかな、と思いつつ目を閉じた





−*−*−*−*−*−

順平パパです(*^o^*)

パパらしいことをさせてみたくてこんな話になりました

こういうの、いいですよね!

順平パパには甘えたいものです





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