黒バスとNARUTOの

□優しい、嘘
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「ごめん、しばらく会えないかもしれない」




久しぶりに会った愛しい恋人への開口一番は、なんとも残酷なものだったと思う。




──私はとある里の特別上忍である。

これまで数々の危険な任務もこなしてきただけあって、周りからはかなり信頼されているのだ。


だから、私に関わっている人は思わないだろう。


私の恋人が、S級犯罪者“暁”に属する一族皆殺しにしたイタチだということを。





「しばらく、会えない?」



怪訝な顔で、私を見つめるイタチに優しく笑いかけた。


「うん。なんかね、私の里から結構離れたところにある小さな里での潜入任務なんだけど…どのくらいで帰れるか分からないんだ」


「…」


「…でも、きっと帰ってこれるからさ」


「…」


「…待ってて、くれる?」


無言を貫くイタチに不安が芽生え、顔色を窺う。
まあ、いつも無表情なイタチに顔色も何もないんだけれど。


「………必ず、帰ってくるのなら」


─待っている。


長い沈黙の後、イタチは僅かに微笑んだ。

それに、心が痛む。


「…ありがとう」


この約束が、守れる可能性はきわめて低いけど。


どうか私を忘れずに、待っていてください。






──私はとある里の特別上忍である。


特別上忍とは、多くの危険な任務をこなし、その身を削ってでも里に尽くすもののことである。


そして、ときには、




里のために犠牲になることもあるのだ。













嘘。


私の任務は、里の大名様の代わりに死ぬものだった。

貴方が悲しまないために吐いた、最初で最後の嘘でした。



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