桜恋唄 番外編 〜その壱〜

□淡雪
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夕餉を終えた俺は、自室に戻り筆をとっていた。


やけに静かな屯所内。

今朝から降り続ける雪が、一切の音を吸収しているようだ。


不意に、廊下の軋む音が聞こえた気がした。


帰ってきたか?


足音は徐々に近付き、部屋の前で止まる。



『副長、如月です』



やっぱりな。

緩む口許を引き締め、入室を促す。



「入れ」


『失礼します』




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