桜恋唄 番外編 〜その壱〜
□陽炎
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何となく目に付いた蝋燭に火を灯せば、パチパチと音を立てて燃えるそれ。
ゆらゆらと揺らめきながら、ほたるの顔をほのかに赤く染め上げた。
町娘に扮した彼奴は、何処からどう見ても、正真正銘の女だ。
……いや違うな。
喩えどんな身なりをしてようと、此奴は────。
ふっとその火を吹き消す。
ほたるの頬をそっと撫でると、俺は彼奴の部屋を後にした。
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⇒ 桜恋唄 第五話
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