桜恋唄 番外編 〜その壱〜

□月見酒
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『え、西本願寺、ですか?』


「あははは!それ、絶対嫌がられるじゃないですか!……反対も強引に押し切るつもりなら、それはそれで土方さんらしいですけど?」



屯所の新たな移転地について話をしている時の事────。

土方さんの口から出た案にほたるは驚き、総司は楽しげに笑う。



「確かにあの寺は広いな。……ま、坊主共は嫌がるだろうが。それに西本願寺ならいざと言う時にも動きやすいだろ。ほたる、お前の色仕掛けで何とかしろよ」


『はあ!?ちょっと左之さん、何言い出すんだよ!』



冗談めかして言う俺に、ほたるは顔を思い切り顰めた。



「それは良い考えかもね。僕も見てみたいな 〜、そういうほたる」


『総司まで……そんなの出来るわけないじゃん!』



次いで総司からの攻撃に全力で拒否するほたる。



……お前、昨日自分がどんなに危ない表情見せてたのか、覚えてねえのか?

ま、仕方ねえ、か……。


敵わねえな、此奴には────。




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