桜恋唄 番外編 〜その壱〜

□仮の姿
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『寄る辺もなしに、女の子一人で人探し?』


「今の京は治安があんまし良くねえし、人探しは楽じゃねえよなぁ……って、女ぁ!?」



ほたるに相槌を打ちながら、予想もしてなかった言葉に目ん玉が飛び出そうになる。



「如月さん、気付いてたんですか」



マ、マジかよ……!?



『まあね、その仕草や立ち振舞いはどう見たって男のものじゃない。そうだよね、一君?』


「ああ、ほたるの言う通りだ。少し見ていれば分かる」



嘘だろ……!?

斎藤も気付いてやがったって言うのか……!?



「それマジ? 確かに言われてみれば、動きがおしとやかな感じしてたっけ……つーか二人共、いつから分かってたんだよ」



納得した風な平助を横目に、俺は目の前の此奴が女だったって事に打ちのめされていた。



「言葉もないか、新八。……女関係には最高に疎いもんな、お前」



左之の非情な一言に言い返そうとしたが、斎藤に遮られてしまう。



「ひとまず土方さん達の所へ行こう。事情の説明は全員が揃ってから、改めて頼む」



まるで頭を殴られたかのような衝撃を覚えながら、俺は広間へと向かった。




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