桜恋唄 番外編 〜その壱〜

□手土産
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「っと悪い。お前ら、先に屯所に戻っててくれ。俺はちょっと寄っていく所があるからよ」


「はい、ではお先に。組長、お気を付けて」


「ああ。お前らもな」



巡察の帰り、隊士達と別れた俺は、再び市中へと足を向ける。



「確かこっちに……おお、あったあった」



一軒の茶屋の前に立つと、中の娘に声を掛ける。



「いらっしゃいまし。何にしましょう?」


「ああ、今食うわけじゃねえんだ。すまねえが、饅頭を手土産用に包んでもらえるか」


「へえ、構いませんよ。今、ご用意致しますね。宜しければ、お掛けになってお待ち下さい」



そう言って娘は奥に入っていく。




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