桜恋唄 番外編 〜その壱〜

□削り氷
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『副長、如月です。今宜しいですか』



任務から戻った俺は、副長の部屋の前で中にいる彼に声を掛ける。



「ああ。入れ」


『失礼します、……あっ……御来客の方がいらっしゃったんですね、失礼しました。では、報告は後ほど改めて伺います』



副長の正面に座っている客人の背中を確認し、慌てて俺は襖を閉めようとする。



「待て、その必要はねえよ」


『はい……?』



すると、その方がゆっくりと此方を振り返る。



「……久しぶりですね、ほたるちゃん」


『えっ……』



その顔を目にした俺は、驚きの余り目を見開いた。



『い、伊庭さん……!?何で此処に……!』



その言葉に、副長が答えてくれる。



「八郎は幕命で京視察に来ているそうだ。俺も驚いたんだがな」




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