桜恋唄 番外編 〜その壱〜

□削り氷
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『あの、伊庭さん────』


「さ、お客さんが多いみたいですし、僕達も早く食べましょう。あまり待たせてしまっては、他の方に申し訳ないですから」



俺の言葉をやんわりと遮って、伊庭さんは削り氷に手をつける。



「……うん、美味しいです。さすが、ほたるちゃんですね。ありがとうございます」


『いえ、喜んで頂けたら嬉しいです。良かった』



────そして削り氷を食べ終えた俺達は、再び屯所へと戻ってきた。



「ほたるちゃん。今日はありがとうございました。とても楽しかったです」


『俺の方こそ、伊庭さんと久しぶりにこうして話せて、凄く楽しかったです。もしまた機会があれば……ぜひ、屯所にいらして下さい』


「……僕に、また会いたいと思ってくれているんですか?」


『えっ?はい、勿論です』


「そうですか……嬉しいです。ぜひまた、立ち寄らせてもらいますね。では、今日はこれで」



去って行く伊庭さんの背中を見送る。

彼は、曲がり角でもう一度此方を振り返り手を振ってくれた。


思いも寄らない再会に、思わず笑みが零れるのだった。





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桜恋唄 第六話

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