桜恋唄 〜その壱〜
□第一話
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────はらはらと雪が舞う京の町を、月明かりに照らされた浅葱色の影が駆け抜ける。
『副長!あれ……!』
「分かってる!!」
転がる遺体の中央に佇む彼らの元へ駆け寄る。
『総司!一君!』
二人は一瞬、此方を振り返ると、またすぐに視線を戻してしまう。
その先にいたのは……。
一人の少年だった。
「逃げるなよ。背を向ければ斬る」
副長は少年の正面に来ると、刃先を下ろし、低い声で制す。
……最早、蛇に睨まれた蛙。
彼は、抵抗する事もなく、小さく震えていた。
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⇒ 第一話 番外編(土方)
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