桜恋唄 〜その壱〜
□第六話
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────そして、長い夜が明けた。
池田屋にいた尊皇攘夷過激派の浪士は二十数名だと言われている。
新選組は七名の浪士を討ち取り、四名の浪士に手傷を負わせている。
これは後で分かった事だが、会津藩や京都所司代の協力の元、最終的に二十三名の捕縛に成功している。
彼らの逃亡を助けようとした池田屋の主も、改めて捕縛される事となった。
数に勝る相手の懐へ突入した事を思えば、新選組は目覚ましい成果を収めている。
しかし、新選組の被害も浅いものでは済まされなかった。
総司は胸部に一撃を受けて気絶していたし、平助は額を切られて血が止まらなかった。
新八さんだって、左手を負傷している。
そして……。
裏庭で戦った隊士の一人が戦死した。
他にも二人の隊士が命にかかわるような怪我を負った。
多分、彼らも助からないだろう。
会津藩が担う京都守護職や、桑名藩が担う京都所司代も、それぞれに浪士と戦っていたらしい。
この《池田屋事件》の活躍により、新選組は広く名を馳せたのだった。
京の平和は、これで守られたかに見えた。
まさかこれをきっかけにして更に大きな事件が動き始めていたなんて……。
今の俺には、全く考えられなかった。
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⇒ 第六話 後日談(沖田)
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