桜恋唄 〜その壱〜
□第十話
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長州の過激派浪士達が御所に討ち入ったこの事件は、後に【禁門の変】と呼ばれるようになる。
新選組の動きは後手に回り、残念ながら活躍らしい活躍も出来なかった。
味方同士の間で情報の伝達が上手くいかず、無駄に時間を浪費してしまったのだった。
けれど、戦場で不思議な出会いがあった。
池田屋で総司を倒した、風間千景。
彼は、薩摩藩に属しているらしい 。
池田屋で平助の額を割った、天霧九寿。
彼も、同じく薩摩藩に所属しているそうだ。
そして、長州浪士と共に戦っていた、不知火匡という人物……。
彼らは決して新選組の味方ではなく、寧ろ強大な敵と言える存在なのだ。
彼らと戦う事になれば、新選組の大きな被害を受けるだろう。
敵対する事にならなければ、それが一番なのだが……。
────ともかく。
長州の指導者達は戦死し、また自ら腹を切って絶えた。
だが、中には逃げ延びた者もいる。
彼らは逃げながらも、京の都に火を放ったのだ。
運悪く北に吹いていた風は、御所の南方を焼け野原に変えてしまう。
この騒ぎが原因で、尊皇攘夷の国事犯達が一斉に処刑されたとも聞く。
そして。
京を離れる事を許された新選組は、大坂から兵庫に掛けてを警衛した。
乱暴を働く浪士達を取り締まり、周辺に住まうの人々の生活を守ったのだ。
この【禁門の変】の後。
長州藩は御所に向けて発砲した事を理由に朝廷に歯向かう逆賊として扱われていく。
この事件がきっかけとなり、長州藩は朝敵とされたのだった。
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⇒ 第十話 番外編(土方)
⇒ 第十話 番外編(伊庭)
⇒ 禁門の変 後日談(風間)
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