桜恋唄 〜その壱〜
□第十五話
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「……それじゃ、俺達も退散するか。あんまり大勢に見られてちゃ、落ち着いて食えねえだろ」
「そうだな。んじゃほたる、また後でな。巡察の帰りに、饅頭でも買って来てやるからよ」
副長の言葉に、左之さんも立ち上がり、俺の頭にぽんっと手を載せる。
「じゃあな、ほたる!あ、今晩のお前の分のおかずは俺様がもらっておいてやるから、安心しろ!」
「もし君が寂しくなったら、僕が添い寝でもしてあげるから。いつでも呼んでよね」
「食器は後で私が下げに来ますので。構わず、そのまま置いておいて下さいね」
そう言って、新八さんと総司、それから千鶴ちゃんも腰を上げた。
皆が部屋出た最後に、不意に副長が振り返る。
「……一応言っておくが、それを食ったら動き回らねえで此処で大人しくしてろよ?」
『……はい、ありがとうございます』
副長は淡く笑みを浮かべると、ゆっくり休め……そう言って襖を閉めた。
急に静かになる室内。
残された部屋で、一人、皆の優しさを噛み締めた。
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⇒ 第十五話 番外編(原田)
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