桜恋唄 番外編 〜その壱〜
□二者択一
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と、一君や総司が選んだものとは別の布をつまみ上げようとしていたオレの動きが止まる。
「………は?」
『………へ?』
暫し時が止まる。
互いに見つめ合う俺達の間を、ぴゅーっと風が吹き抜けた。
「……お前さ、何しに来たんだ?」
『うん?』
「だからさ、お前、どっちの布が良いか決めらんないから、オレのところに聞きに来たんだったよな?」
『うん、そうだけど』
「……で?」
『で、って?…………あ』
漸く理解したらしい彼奴は、何とも間抜けな声を出したまま固まった。
「お前さ…………ぷぷっ……そりゃねえって!!あはははは!」